日本経済新聞電子版「年越すお札、最高の86兆円 2011年末に比べて3.1%増加」(2012年12月28日20時21分。http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC2801D_Y2A221C1000000/)
によると、「日銀は28日、家庭や企業、金融機関の金庫などで年を越すお札(日銀券)の合計が86兆円となり、過去最高を更新したと発表した」という。
最近、アベノミクスが注目されている。景気回復のために、金融をより緩和し、円安を導くというイメージがある。
そもそも日本って、主要国の中で対外純資産(財務省HPより。http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2011_g4.pdf)
は第1位。詳しく調べていないが、世界一の債権国とよく言われる。そんな中で円安になるなんてあるんだろうか?
というわけで、新年早々悲観論で恐縮だが、アベノミクスは、思ったほどうまくいかないと予想する。
円が安くなる→ドルを買う→そのドルで投資する→バブルが弾ける、という、リーマンショック同様のバブルを、また日本発でやるんだろうか(池上彰『日銀を知れば経済がわかる』(平凡社新書、2009)p175、浜矩子『「通貨」を知れば世界が読める “1ドル50円時代”は何をもたらすのか?』(PHPビジネス新書、2011)p159参照)。それよりも、円高を所与としてどう生きていくかを考えたほうがいいと思うのだが。
なお、対外純資産が赤字のアメリカならば、金融緩和が効きそうだ、というのは、あくまで私の直感である。