2013年1月28日、第183回通常国会が開かれた。まずは、安倍晋三・内閣総理大臣の所信表明演説を、読売新聞2013年1月29日12版7面(どの新聞にも出ている)でざっと見る。
気になったのは以下のところ。
「今こそ、額に汗して働けば必ず報われ、未来に夢と希望を抱くことができる、真っ当な社会を築いていこうではありませんか」
「政府がどれだけ所得の分配を繰り返しても、持続的な経済成長を通じて富を生み出すことが出来なければ、経済全体のパイは縮んでいってしまいます」
「「自らの力で成長していこう」という気概を失ってしまっては、個人も、国家も、明るい将来を切り開くことはできません」
一見正論だが、私はこれらの発言が気になった。
本エントリーが転載した、朝日新聞デジタル「生活保護、月2万円減 4人世帯で段階的に」(2013年1月28日7時)によると、「生活保護では、生活費に当たる生活扶助の支給基準額を8月から引き下げることを決めた」という。
しかし、高齢者、傷病者、母子家庭、その他の世帯、といった受給者は、安倍晋三さんによると、「額に汗して働」いていないだとか、「「自らの力で成長していこう」という気概を失ってしまっ」ただとかいうことなのだろうか?
パイがいくら増えても「所得の分配」がなければ公平にならない、というのは、現代の国家の常識だと思うんだけど。ただ、どういう分配が公平かは難しい。しかし、最低生活費は減らす+物価を上げる、は、素人考えでも公平ではないと思うが。