清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

憲法で ウソ撒き散らす 読売が

読売新聞が、「憲法考 発議要件」と題して、日本国憲法の改正発議要件(第96条)が厳しいというキャンペーンを張っている(野党第1党でもない(衆議院http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kousei2.htm

参照。なお、内容は、2013年3月1日現在)日本維新の会の、橋下徹・共同代表のインタビューも載せている)。
 
憲法考 発議要件」第2回(読売新聞2013年3月1日朝刊13版4面)でも「日本の国会は二院制を採っている上、衆院選参院選とも小政党に相対的に有利に働く比例代表選を一部導入しているため、衆参そろって『3分の2以上』の勢力を結集することが容易ではない(中略)なぜ、こんな高いハードルとなったのだろう」とある。しかし、これは、ウソ(というか、不正確)である。簡単なことで、小選挙区比例代表併用制を採用しているドイツは58回も憲法改正されているからである(「憲法考 発議要件」第1回より。読売新聞2013年2月28日朝刊13版4面。一般論として、日本の並立制より、ドイツの併用制のほうが比例代表に近いとされる。ウェブリオの右記URLをご一読。http://www.weblio.jp/wkpja/content/%E6%AF%94%E4%BE%8B%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E5%88%B6_%E6%B2%BF%E9%9D%A9#.E5.B0.8F.E9.81.B8.E6.8C.99.E5.8C.BA.E6.AF.94.E4.BE.8B.E4.BB.A3.E8.A1.A8.E4.BD.B5.E7.94.A8.E5.88.B6
)。
 
憲法考 発議要件」第2回を読み進めると、「GHQ草案が出る以前に松本烝治氏(略)が作成した憲法改正私案(略)は『総員3分の1以上の賛成』で発議し、『出席議員3分の2以上の多数』で改正できるとし、国民投票の規定はなかった」という。一方、GHQの草案は「『議員全員の3分の2以上の賛成を以って・・・発議し、人民に提出して承認を求む』」として「GHQ草案がハードルを大幅に引き上げたのは明らかだ。GHQ関係者にインタビューを重ねた西修・駒沢大名誉教授は、『日本はまだ民主主義に慣れるための準備ができていないと判断して、改正をしにくくしたようだ』と指摘」したという。間違いとは言わないが、アメリカは「各院の3分の2以上の賛成+4分の3以上の州議会の承認」が要件だったからそれを真似ただけなんじゃないの? あと、ハードルを大幅に引き上げたのは、日本の方である。マッカーサー草案の一院制を二院制にしたのだから(「韓国は日本とほぼ同様の要件を定めているが、一院制のため、日本よりも改正のハードルは低い」(「憲法考 発議要件」第2回より))。
 
もちろん、憲法改正の発議すらなされなかったは、「憲法考 発議要件」第2回の表現で言えば、「保革の不毛な対立」が原因だろうが、改正発議の賛成を求める側が要件を満たせなかったという現実を直視し、言い訳はなしにしよう。
 
結局、憲法第96条の「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議」が厳しいという根拠はなく(アメリカやドイツも似たような要件だから。

 

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 参照。なお、国民投票はただの1度も行われていないから、不問)、「比例代表選を一部導入」(「憲法考 発議要件」第2回)したから改正が難しくなったのでもなく(ドイツのほうが比例代表制に近い)、日本が勝手に二院制にしてハードルを上げている一方で、改正要件を満たすほどの改正案の賛成が(得られ)ないというのが根本問題なのだから、改正を目指す側が説得力のあるビジョンを示して、各議院の総議員の3分の2以上の賛成を得るように努力するしかない。