2013年2月26日20時から放送された、NHK Eテレ「ハートネットTV 日本で暮らす無国籍者たち」(以下、「ハートネットTV」と表記。http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2013-02/26.html
)を、録画で見た。
番組では、ミャンマーの軍事政権から逃れた夫婦の子どもがミャンマーに出生届を出さ(せ)なかっただとか、ユーゴスラビアの内戦から命からがら(親が殺されたのを見た)日本に渡った人が、ユーゴスラビアが崩壊したので(国がなくなり)無国籍になっただとか、同情を誘う話であった(そういうのを報道して問題を喚起しているが)。
無国籍者だと、海外に渡れないので留学ができないだとか(ミャンマー系(ミャンマーから来日したことから清高が名付けた。当ブログの当エントリーのみ有効)夫婦の子ども)、無保険になるのでPTSDの治療費が実費で120万円になるだとか、無国籍ゆえの不便さもわかる内容で、有益だった。
ただ、誰に国籍を与えるかは、基本的にその国の主権に関わる問題。だから、無国籍者は可哀想だ、だから国籍を与えろ!と簡単にならないのが難しい。
日本は国籍に関して原則として血統主義だが、出生地主義を採用しているところもある。もしそうだと、「ハートネットTV」の事例では、ミャンマー系の子どもはもう少しマシだったのだろうが、主権の問題だから、出生地主義にしろ、と言うのも難しい。
最後に、日本の現状を「ハートネットTV」の番組内容から3点紹介すると、(ア)何年かはメモしていないので失念したが、ある年の日本の難民申請人は1,867人で、認定されたのが21人。(イ)フランスやスペインにあるような難民認定機関はない。(ウ)日本は「無国籍者の地位に関する条約」と「無国籍の削減に関する条約」を批准していない、ということである。