清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

吉田にね 祟られちゃった 朝日かな

朝日新聞が、吉田調書に関する報道(http://www.asahi.com/special/yoshida_report/
、ならびに、慰安婦における吉田証言についての報道(朝日新聞デジタル慰安婦問題を考える」(http://www.asahi.com/topics/ianfumondaiwokangaeru/
参照)について謝罪したという(朝日新聞デジタル「みなさまに深くおわびします 朝日新聞社社長」(2014年9月12日3時7分。以下①と表記。http://www.asahi.com/articles/ASG9C6V5QG9CUHMC00L.html
。以下、筆者主観で詳しく検討する。
 
「吉田調書を読み解く過程で評価を誤り、「命令違反で撤退」という表現を使ったため、多くの東電社員の方々がその場から逃げ出したかのような印象を与える間違った記事になったと判断しました」とある。筆者の知る限り(真実と異なる可能性あり)、門田隆将(『死の淵を見た男 吉田昌郎福島第一原発の五〇〇日』(PHP研究所、2012)の著者)が「お粗末な朝日新聞「吉田調書」のキャンペーン記事」(門田隆将オフィシャルブログ、2014年5月31日。以下、②と表記http://www.kadotaryusho.com/blog/2014/05/post_758.html
)で批判したのが最初である。門田によると、「吉田氏に直接取材した人間として、さらには100名近い関係者から実名証言を得た人間として、朝日新聞が「所長命令に違反」して9割の人間が「撤退した」と書いているのは「誤報」である」(②)とのこと。その後、産経新聞が「[福島第1事故「吉田調書」]」(http://sankei.jp.msn.com/politics/group/politics-25584-g1.htm
の特集記事を、ウェブ版では8月18日から朝日新聞と異なった趣旨の内容であると発表した。
 
いわゆる吉田調書は、2014年9月11日(「政府事故調査委員会ヒアリング記録の開示について」(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/hearing_koukai/hearing_koukai.html
、「吉田 昌郎」から閲覧できるようになった。
 
その中の、2011年8月9日、2011年8月9日に聴取された「事故時の状況とその対応について 4」(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/hearing_koukai/077_1_4_koukai.pdf
のp56、p57に、「本当は私、2F(福島第2原子力発電所のこと。清高補足)に行けと言ってないんですよ」、「私は、福島第一の近辺で、所内に関わらず、線量の低いようなところに一旦退避して、次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fに行ってしまいましたと言うんで、しょうがないな」のところを朝日新聞は重視して、2014年5月20日朝刊14版1面(『朝日新聞縮刷版2014年05月号』(朝日新聞出版、2014年)p913)に「所長命令に違反 原発撤退」という見出しの記事を載せた。
 
しかし、「吉田所長の発言を聞いていなかった所員らがいる」(朝日新聞デジタル「吉田調書「命令違反」報道、記事取り消し謝罪 朝日新聞」(2014年9月12日3時2分。以下③。http://www.asahi.com/articles/ASG9C7344G9CULZU00P.html
)ことが「多くの所員らが所長の命令を知りながら」(③)という誤った印象を与えたということで、記事を取り消し謝罪することとなったようだ。
 
門田の「100名近い人々にすべて「実名」で証言」(②。ただし、従業員100人弱、ではない)と異なり、朝日新聞は証言などの裏付けを取ろうをしなかった(「吉田所長の発言を聞いていなかった所員らがいる」(③)のがわかっていたら書けないと筆者が判断)のだから、裏付け不十分と言われても仕方がない。ただ、門田の言う「「意図的な」「事実の捻じ曲げ」」(②)も言い過ぎで、調書の一部分を過度に評価したものと思われる。
 
①に戻ると、慰安婦問題の吉田証言について、「記事を取り消しながら謝罪の言葉がなかった」とある。たしかに、朝日新聞デジタル「「済州島で連行」証言 裏付け得られず虚偽と判断」(2014年8月5日5時。http://www.asahi.com/articles/ASG7L71S2G7LUTIL05N.html
)には、謝罪の言葉は、ない。しかし、それは、他紙も同じ。朝日新聞デジタル「他紙の報道は」(2014年8月5日5時。http://www.asahi.com/articles/ASG7L7GGWG7LUTIL05Y.html
)に書かれたことで記者会見、謝罪、土下座、どれも筆者は知らない。もっとも、それを朝日新聞が言うのもいかがなものかとは思うが。なお、47NEWS「慰安婦連行証言、92年から疑問 共同通信は7回報道」(2014年8月6日19時32分。http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014080601001536.html
関連の謝罪も見たことはない。報じない自由もあるのにあえて報じたのだから同罪で、朝日新聞同様の謝罪をする必要があろう。
 

*タイトル、文中、ともに敬称略