清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

曽野綾子 テレビで話 ずらしまくり

*まず予めお断り。文中敬称略。

さて、産経新聞2015年2月11日朝刊7面に掲載された、「曽野綾子の 透明な歳月の光 第629回 労働力不足と移民 「適当な距離」保ち受け入れを」(以下、曽野コラム、と表記)が、各方面から非難にさらされている(一例はGoogleニュースの右記URLから。https://news.google.com/news/story?ncl=d7m3BJ2q8IclkvMZlP3roHTM4wjIM&q=%E6%9B%BD%E9%87%8E%E3%80%80%E6%8A%97%E8%AD%B0&lr=Japanese&hl=ja&sa=X&ei=dhr8VJi_JeSomgXN6oG4Dw&ved=0CCMQqgIwAQ
)。

それを受けて、何号か失念したが、『週刊ポスト』などで曽野擁護の文章がでた。『週刊ポスト』の立ち読みレベルで書くと、文章と関係ないこと(曽野が南アフリカに多大な貢献をした)で曽野をかばう醜い内容だった。

筆者がエントリーするくらいだからまだ興味を持っている人がいると踏んでか、BSフジは、2015年3月6日20時からの「BSフジライブ プライムニュース」で、曽野コラムを取り上げた(実際には曽野特集というべき内容で、もう1本インタビューがあったのだが、本エントリーと無関係ゆえ、割愛)。モハウ・ペコ・駐日南アフリカ共和国特別全権大使もゲストに呼んで。タイトルは「曽野綾子×駐日南ア大使 新聞コラムの真意」(以下、「新聞コラムの真意」、と表記)。以下、筆者が見た限りで勝手に評価してみたい。

曽野コラムは、産経ニュース(http://www.sankei.com/
)には載っていない、つまり、紙限定のようだ。したがって、内容は、日本報道検証機構曽野綾子氏の産経コラムに抗議相次ぐ 人種別居住区に言及で」(2015年2月18日 07:02。追記:2015年2月19日 10:39。http://gohoo.org/15021801/
)から見ていただこう(曽野コラムの内容は紙面と同一)。

曽野コラムにはは、「分けて住む方がいい」だとか「「居住だけは別にした方がいい」」だとかあるが、法律によって、とは書かれていない。しかし、「居住区だけは白人、アジア人、黒人」、「南アフリカ共和国の実情」(以上、曽野コラムより)から、モハウ・ペコの「アパルトヘイトを(略)想起」(「新聞コラムの真意」)は正当な批判である。

曽野は「区別と差別は違う」と言った(「新聞コラムの真意」)。そのとおりだが、「居住区」(曽野コラム)を分けるのが合理的な根拠はないので(肌の色や文化で、ある土地や住居にいられない理由がないから)、差別である。

曽野は「区別はしてあげなければならない」(「新聞コラムの真意」)と言った。他の文化を尊重しなければならない、という意味で用いているようだが、これも「居住区」(曽野コラム)を分ける理由になっていない。

曽野は「政治的見方をしたことがない」だとか、「政治家の立場と作家の立場とは違う」(以上、「新聞コラムの真意」)だとか言った。しかし「分けて」(曽野コラム)からは、「政治的見方」(「新聞コラムの真意」)と取られても仕方ない。「別々に住んだほうが良い」(筆者の添削)の方がマシだが、それも合理的理由はない。

ペコは「南アフリカのコンテクストで理解すべき」(「新聞コラムの真意」)と言ったが、これも正論。曽野コラムで「南アフリカ共和国の実情」と書かれているので。

筆者のメモは他にもあるが、これまで書いた内容でも、曽野コラムや「新聞コラムの真意」における曽野の言い分は理由がなく、ペコの一方的勝利である。

それにもまして酷かったのは、キャスターの反町理。「曽野さんがアパルトヘイトを進めている人間じゃない」(「新聞コラムの真意」)、だとか、「自分たち」が「選択して自主的に同じ文化を持つ人達が集まるのはアパルトヘイトじゃない」(ともに「新聞コラムの真実」)だとか、文章と関係ないことを言って話をずらしまくった。更に、南ア関連のNPOの人たちは、(おそらく)番組で取り上げた議論を踏まえていない(この部分は「新聞コラムの真意」を見た筆者の要約)とも言ったが、文章を批判しているのでこれも関係ない。

というわけで、曽野のコラム、言い分に正当性はなく(コラムに関する部分であって、他者の文化尊重の趣旨のコメントを否定するものではない)、反町の司会は失格なので降板を勧告したい。