2016年7月10日に、第24回参議院議員通常選挙が行われた。
結果はだれでも知っているので特に取り上げないが、問題のある選挙区を1つ。
それは、北海道選挙区である。
「NHK選挙速報 選挙区 北海道」(http://www3.nhk.or.jp/senkyo/#!skh_0100
)を見ると、以下の結果になった。
長谷川岳(自由民主党)648,269票。
徳永エリ(民進党)559,996票。
鉢呂吉雄(民進党)491,129票。
(以上当選)
柿木克洋(自由民主党)482,688票。
森英士(日本共産党)239,564票
(以下略)
これを、比例代表制のドント式にしてみると、
自由民主党 1,130,957票(÷2=565,478.5)
民進党 1,051,125票(÷2=525,562.5)
共産党 239,564票
(以下略)
北海道選挙区の定員は3人だから、自由民主党が2人、民進党が1人、となる。
北海道民の民意は、自由民主党により頑張ってほしいというものである。しかし、日本独自の(筆者の知るかぎり、他国での採用例がない)、大選挙区制限連記制ゆえに、民意と違う人が当選してしまった。
現代の議会政治で大事なのは、個々の人間より政党だと筆者は考えるので(国会の全議案を調べたわけではないが、たいてい政党によって賛否が決まる)、北海道選挙区の結果は不当と認定する。このような結果を回避するために、大選挙区制限連記制の選挙区をすみやかに比例代表制にすべきだと提言する。また、1人区という小選挙区との併存の理由もないから、一院制(要憲法改正)も含めた根本的な選挙制度の改革が必要である。
*文中敬称略