①毎日新聞デジタル「ジェンダー差別発言 ワースト『子供4人以上産んだら…』」(2018年1月10日9時2分(最終更新同16時8分)。https://mainichi.jp/articles/20180110/k00/00e/040/190000c
)によると、「男女差別などジェンダーに関する問題発言の2017年ワーストを選ぶネット投票の結果が9日、公表された。1457人から投票があり、最も票が多かったのは『子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか』との自民党、山東昭子元参院副議長による発言だった」という。
そもそもは②「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」(https://yurusanai-seisabetsuhatsugen.jimdo.com/
)というところの企画で、「2017年も繰り返された、ジェンダーに関して問題のある公的発言」(サイトより)を取り上げたものだという。
しかし、第1位の「『子供を4人以上』」(①)はジェンダー差別発言ではないだろう。コトバンク「ジェンダー ブリタニカ国際大百科事典 小項目時点の解説」(https://kotobank.jp/word/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC-176790#E3.83.96.E3.83.AA.E3.82.BF.E3.83.8B.E3.82.AB.E5.9B.BD.E9.9A.9B.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E5.B0.8F.E9.A0.85.E7.9B.AE.E4.BA.8B.E5.85.B8
)によると、「フェミニズムの中では,生物学的性差をセックスと呼ぶのに対して,性別に基づいて社会的に要求される役割などの社会的性差をさすことばとして用いられる」が、子供を産むことは生物学的性差の話だからである(最終的に出産するのは女性なのは揺らがない)。子供を産まない人に対するハラスメントではあるが。
第2位は、「『(国賓の)パートナーが同性だった場合、私は(晩餐会への出席には)反対だ。日本国の伝統には合わないと思う』」(竹下亘衆議院議員)」(②)。これもジェンダー差別じゃないだろう。同性愛者に対する差別発言である。
なお、第3位は「『私たち3人には共通点がある。みんな女性で、同世代。そして全員がグッドルッキング(美しい)!』(稲田朋美衆議院議員)」、第5位は「『その中で節を通した枝野は本物の男に見える』(石原慎太郎元国会議員・元東京都知事)」(どちらも②)は、女性らしさ、男性らしさを、その性のみの属性と解釈できる内容だから、ジェンダー差別認定やむなし。
政治家がうっかり性的差別発言をするのはあるけど、それらを何でもかんでも「ジェンダー差別」にされてもなぁ、ということである。
*ウェブサイトは2018年1月10日アクセス。