ためしに、自由民主党HP「日本国憲法改正草案」(http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf )を見てみると、第3条で、早くもダメ憲法となった。国旗・国歌など、時代によって変えても悪いわけがないので法律でよく、「日本国民は、国旗および国歌を尊重しなければならない」などと書いている暇があったら、憲法体系書を1冊でもいいから読めよ、となる。こんなもの「尊重」や「義務」をわざわざ設ける必要はない。国家権力を制限する規範であるという基本を抑えていないのでこんなくだらない条文になってしまっている。
第12条「公益および公の秩序に反してはならない」もまずいね。比較考量で問題はないのに、なぜ変えるのだろう?
第15条第3項「日本国籍を有する」も、全然必要ない。情勢次第で日本国籍を有しない人に選挙権を与える余地を否定するほうが問題になろう。『21世紀の人権』(江原由美子監修、日本評論社、2011)39ページ参照(地方自治体の選挙・被選挙権を全く与えていない先進国は、日本だけのようだ。もっとも、内容の詳細は未検討)。
「たちあがれ日本の改憲案」(「自主憲法大綱『案』」。http://www.tachiagare.jp/data/pdf/newsrelease_120425.pdf) も、いい意味でパッとする条文が見当たらなかった。
どちらの政党も、やっていることは時間の無駄だから、現政権に対する的確な批判をお願いしたい。もっとも、実質的には、民主、国民新、自由民主、公明4党の連立政権なんだけどね。
*ウェブサイトは2012年4月28日アクセス。