清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

反対を しなきゃ議論は 深まらず

 自由民主党ヨイショのうわさが絶えない読売新聞が、社説でやらかしてくれました。題して、「代表質問 反対ばかりでは議論深まらぬ」(2023年1月16日)。

www.yomiuri.co.jp

 

 のっけからこうだもの。

 野党第1党が政府の方針に反対するだけでは、議論は深まらない。現実的な対案を示し、政策論争を挑むべきだ。*1

 

 違うって。批判というか、反対すべき時はするのが野党の仕事である。筆者が以前書いた「『批判するな 対案を出せ』 なぜ悪い?」をご一読。

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

 

 日本周辺の安全保障環境の悪化を踏まえ、防衛費を増額するのは妥当だ。防衛費は恒常的な経費であり、財源を確実に確保しようという首相の姿勢は評価できる。*2

 

 社説だからやむを得ないが、具体的に何だろう? そもそも安全保障環境が悪化しているとすれば、既に日本に何らかの損害が発生しているはずだが、寡聞にして聞かない。また、そもそも防衛費を増額するのが妥当かも問題である。防衛費は直接国民の生活を豊かにするわけではない。費やさないのであればそれに越したことはない。

 

 泉氏は増税に反対するなら、日本の安全を守るのに必要な防衛費の規模や装備体系を、具体的にどうすべきだと考えているのか。*3

 

 泉健太立憲民主党代表の主張はわからないが、現在でも守れているのにわざわざ防衛費目的で増税する必要はない。また、それは泉健太がやることではなく、政権与党が示すべきであるが、その理由が明らかでない*4のが問題なのである。

 

 防衛力強化の柱は「反撃能力」の保有だ。泉氏は、相手が攻撃に着手した時点で反撃できるという政府の見解について、「国際法違反の先制攻撃にならざるを得ず、反対の立場だ」と述べた。

 政府は、相手国がミサイルに燃料を注入した場合などを、攻撃の「着手」として、武力行使が可能という立場をとってきた。反撃能力の行使についても、こうした従来の見解を踏襲している。

 反撃能力の要件を過度に制約すれば、抑止効果は低減しよう。反撃能力の保有が先制攻撃につながるから反対だと言うのであれば、相手国からの攻撃にどう対処すべきか、考えを示すべきだ。*5

 

 社説を見ると、日本政府は、「相手国がミサイルに燃料を注入した場合」も「攻撃の『着手』」とするようである。しかし、これを正当化できるかは疑わしい。ミサイルに燃料を注入しているにすぎない場合が果たして「武力攻撃がまさに行われようとしている」*6かは微妙だと思う*7。加えて、反撃能力を備えるということは、武力行使した国の領域を攻撃することになるが、これを持っても持たなくてもと言っていいほど、状況は変わらないわけで、そもそも持つべきかが疑問だからである*8

 

 野党側は紋切り型の反対論、政府側も型通りの答弁ではなく、課題解決に有効な方策を示し合い、建設的な論戦を展開してほしい。*9

 

 紋切り型とは、「きまりきった型。かたどおりで新味のないこと」のことだが*10、もしそういうことがあるとすれば、政府の「型通りの答弁」*11の方が問題の可能性が高い。野党の反対等を受け付けていないからである。もちろん野党が必ずしも正しいわけではないが、「紋切り型」*12と批判しても始まらないのである。

 

 読売新聞が自由民主党をヨイショするのはわかりきったことだが、自由民主党政権の主張の吟味もせず、野党のみが間違いであるというのは、自由民主党政権の主張の根拠が薄弱であるから、説得力がない。

 

 

*1:読売新聞2023年1月26日社説「代表質問 反対ばかりでは議論深まらぬ」。

*2:同前。

*3:同前。

*4:私見。もちろん、現在の日本の安全保障環境が悪化しているというのであれば、コメント欄で受け付けるので、根拠とともに描いてほしい。

*5:「代表質問 反対ばかりでは議論深まらぬ」

*6:国際法[第5版]』(有斐閣Sシリーズ、2007)p.293。

*7:これだけではどこに向かって撃つかがわからないから。私見

*8:抽象論になってしまっているが、日本国になってから、反撃能力はなかったとして、その状況下でも、ただの1国も日本に対して武力行使をしていない。仮に反撃能力を備えていても、必要性(後述の要件②)が満たされる場合がほぼない(私見)からである。なお、芦部信喜憲法学Ⅰ 憲法総論』(有斐閣、1992)p.263 によると、自衛権の発動が正当化されるのは、「①外国から加えられる侵害が急迫不正であるという違法性の要件、②侵害を排除するためには一定の防衛行動をとる以外に他の手段も熟慮の余裕もないという必要性の要件、③自衛権の発動としてとられた防衛措置が加えられた侵害を排除するのに必要な限度で過剰なものではなく、つり合いがとれているという均衡性の要件、の三つが必要であるとされる」とのこと。

*9:「代表質問 反対ばかりでは議論深まらぬ」

*10:コトバンク「紋切り型」(

https://kotobank.jp/word/%E7%B4%8B%E5%88%87%E3%82%8A%E5%9E%8B-647144

)の、デジタル大辞泉の解説による。

*11:「代表質問 反対ばかりでは議論深まらぬ」

*12:同前

リアルでも ネットでもデモ 少数派

 今日の読売新聞は、1面からくだらない記事を載せていた。くだらない記事なら取り上げるなよ、という非難は甘受するも、民主主義社会にとっては重要な話なので、当ブログで検討する。

 

 読売新聞オンライン「国葬反対『ツイッターデモ』、3.7%の投稿で全体の半数…4219回のアカウントも」(2023年1月24日6時52分)に、読売新聞2023年1月24日統合版1面、13版31面の記事の内容が載っている*1。ここでは読売オンラインの記事の1ページ目のリンクを貼る。

www.yomiuri.co.jp

 

 しかし、当たり前ではないか。そもそもデモ(デモンストレーション)をやる人は少数だからである。大多数は現状維持か関心がないか。調べるまでもないことだろう。

 

 そして、リアル(現実社会)であれネット(インターネット空間)であれ、デモをやることによって問題点が明らかになり、見ている人が関心を持ち、政治家も取り上げるのである。なお、筆者は、デモについては、『大人のための社会科(略)』(井手英策・宇野重規・坂井豊貴・松沢裕作、有斐閣、2017)。で学んだが、それを読んで、少数派が声を挙げることについてデモは有力な選択肢だという思いを抱いたので、読者の皆様も是非ご一読を。

 

 そもそもデモは少数派がやるもので、そのアピールで他の人が考察するきっかけになるのに、ツイッターデモを否定的に評価するダメな記事だったが、別の意味でもダメなところがあった。それは、安倍晋三国葬に反対することと、外国人の生活保護に反対することを、並列して並べていることである。

 

 安倍晋三国葬について、「『税金が使われるのに、国会で十分な議論を経ずに決まったのはおかしい』と思」*2うのは問題ないが、「<#国葬反対より外国人生活保護反対>」*3は成り立たない。根拠は、「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」である*4内閣府HPにある。

https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/teianbosyu/doc/tb_29_ko2_08_1_moj_b306.pdf

日本が加入している*5「難民の地位に関する1951年の条約」*6第23条には「締約国は、合法的にその領域内に滞在する難民に対し、公的扶助及び公的援助に関し、自国民に与える待遇と同一の待遇を与える」とあるわけだから、安易に生活保護を受給させないわけにはいかないのである。

 

 読売新聞オンラインの記事の1ページ目には、以下のようなコメントがある。

国際大の山口真一・准教授(計量経済学)の話「ネットでは思いが強い人ほど大量の発信をする傾向があり、ツイッターデモも同様だ。ネット世論が民意を正確に代弁していないことを理解していないと、強い意見に過剰に引っ張られ、判断を誤る危険がある」

しかし、それ(「強い意見」)は、読売新聞オンラインの記事においては、外国人の生活保護反対だけである。記事で安倍晋三国葬反対をも取り上げたので内容がおかしくなってしまった。結局は意見の内容であって、「ネット世論が民意を正確に代弁していないこと」など何の関係がないことは、リアルでのデモとまったく同じである。

 

 本エントリーで取り上げた読売新聞オンラインの記事には「国葬 安倍元首相」とある。読売新聞の狙いは、安倍晋三国葬について反対する人は少数だとしたいのだろう。仮にそうでも、内容の妥当性を問えばいいのであって、内容的に問題のある外国人生活保護反対の話を持ち出して、安倍晋三国葬反対を貶めてはならない。

*1:読売新聞オンラインの記事の1ページ目が統合版1面、2-3ページは統合版の13版31面に対応している。

*2:読売新聞オンライン「国葬反対『ツイッターデモ』、3.7%の投稿で全体の半数…4219回のアカウントも」2ページ目。

*3:同前。

*4:一部改正がなされているようだが、本文に影響がない。「改正」を読者各自で調べられたし。

*5:ユニセフ「用語の解説」には、締約、批准、加入、敬称、署名の意味が書いてある。

https://www.unicef.or.jp/kodomo/nani/history/hi_s2.htm

*6:UNHCR日本「難民の地位に関する1951年の条約」より。

https://www.unhcr.org/jp/treaty_1951

共同親権 だから起こった 出来事か(2023年1月21日追記)

 今日の検討の素材は、文春オンライン「《名誉毀損で元棋士逮捕》『無差別殺人起こして自殺したるわ』元妻の名前と住所を晒したA級棋士・橋本崇戴(39)が呪った「世の中」と「将棋界」」(2023年1月19日)である。

bunshun.jp

以下、ところどころ引用してみよう。

 

「橋本さんは2017年に結婚をしているのですが、2019年に奥さんが突如家を出てしまったんです。その時に子どもを連れていってしまったようで、それ以降、橋本さんは子どもと会いたくても会えない状況が続いていたようです。橋本さんは『連れ去りだ』と強く反発し、結局親権をめぐるトラブルに発展してしまいました。(以下略)」*1

 

 これが事実だとすると、いわゆる実子誘拐にはならない。簡単なことで、妻にも居所指定権(民法第821条)があるからである*2民法の欠点は、この事例みたいに、夫と妻の親権の行使が一致しない場合の調整規定がないことである*3

 

 日本の民法では離婚が成立した場合、どちらか片方の親のみが親権を持つ「単独親権」制度が採用されている。また、親権には「母親優先」や「現状維持」といった原則がある。母親が子供を連れ去った橋本容疑者のケースでは、元妻に親権が認められた。*4

 

 筆者が調べた限りでは、「親権には『母親優先』や『現状維持』といった原則がある」の法的根拠がない。離婚時の親権は大半が母親が持つのが現実も、それは別の話である。当ブログ「なぜダメか よくわからない 共同親権」をご一読。

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

 

「橋本さんは引退を表明して間もなく共同親権を呼びかける運動を始めました。『子どもの連れ去りは犯罪だ』とかなり強い口調で演説していましたね。(以下略)」*5

この通りなら、橋本*6は、正常に判断できなかったのではないか。共同親権だから居所指定権について両親の意見が一致しない場合の調整規定がないのが問題なわけで、婚姻時でも離婚時に共同親権を採用しても変わらない。また、単独親権の現在においても、「父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父または母と子の面会およびその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める」(民法第766条第1項)となっているので、子に会いたいのであれば妻と話し合えばいいだけのことだからである。

 

 筆者は、理念的には離婚時の共同親権を支持する者であるが、橋本の主張を実現させるのであれば、共同親権の実現は必要なく、現行法の範囲内で話し合うべきであった。

 

 将棋棋士・橋本で筆者が思い出すのは2つ。第1に、山崎隆之八段、松尾歩八段、阿久津主税八段*7、そして橋本で「残念4兄弟」と名付けたこと*8。もう1つは、先手76歩→後手34歩が流行したときに、3手目66歩にこだわったことである。矢倉か振り飛車を志向する指し方は、当時のアマチュアにとっては参考になったことだろう。将棋棋士としてセンスのあった人なだけに、残念である。

 

*お詫びと訂正-2023年1月21日

 

 筆者は、本稿で、

 これ(上記文春オンラインの引用。筆者補足)が事実だとすると、いわゆる実子誘拐にはならない。簡単なことで、妻にも居所指定権(民法第821条)があるからである

と書いたが、誤りがあった。

 

 妻に居所指定権があっても、未成年者略取及び誘拐罪が成立し得る。最高裁平成17年12月6日決定*9によると、

最高裁平成17年12月6日決定の事例においては。筆者補足)行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり,被告人が親権者の1人であることは,その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情であると解される

とし、その連れ去り行為が「家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるもの」でない限り違法性を阻却しないというのが最高裁判例である。

 

 したがって、「これが事実だとすると(略)妻にも居所指定権(民法第821条)があるからである」を、以下のように訂正する。

 これが事実だとすると、実子誘拐(刑法第224条の未成年者略取誘拐罪)が成立する場合があるが、その判断は、その連れ去り行為が「家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるもの」(最高裁平成17年12月6日決定)か否かで決まる。それとは別に、(以下、本文と同じなので、略)

 

 筆者の裁判例のチェックが甘いが故のミスで、読者に迷惑をかけて、申し訳ありません。

*1:文春オンライン「《名誉毀損で元棋士逮捕》『無差別殺人起こして自殺したるわ』元妻の名前と住所を晒したA級棋士・橋本崇戴(39)が呪った「世の中」と「将棋界」」2ページ目

*2:文末で訂正する。

*3:親権喪失の審判(民法第834条)、親権停止の審判(同第834条の2)、管理権喪失の審判(同第835条)はあるが。

*4:*1の3ページ目。

*5:*4に同じ。

*6:本稿も文中敬称略。

*7:ここまでの棋士の紹介は棋士番号順。日本将棋連盟HP「棋士データベース」参照。

https://www.shogi.or.jp/player/

*8:タイトルを獲得するなどの活躍がなかったことについて。なお、松尾八段以外はA級在籍経験も、残留経験者はいない。

*9:全文(補足意見、反対意見を含む)はこちらから。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/081/050081_hanrei.pdf

れいわゆえ 産経読売 攻勢か

 筆者が調べた範囲内では*1、れいわ新選組参議院議員水道橋博士が辞任したのちに、比例代表*2で落選した5人に得票順に交代で担わせることについて、否定的な評価をしているのは、産経新聞と読売新聞である*3のみ挙げる。))。以下、社説のリンクを。

 

産経新聞「主張 れいわの参院構想 議員の職責を愚弄するな」(2023年1月18日5時)

www.sankei.com

 

読売新聞社説「れいわとN党 国会の議席はそんなに軽いか」(2023年1月18日5時)

www.yomiuri.co.jp

 

 まず、①によると、

 参院議員の職責を、あまりに愚弄している。

 憲法は第46条で「参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する」と定めている。任期が4年で、任期途中で解散もあり得る衆議院より長い任期が保障されているのは、政争に巻き込まれることなく落ち着いた環境で法案を審議できるためで、だからこそ参院は「良識の府」と呼ばれるのではなかったか。

 参院比例代表は非拘束名簿式で行われ、個人名への投票も所属政党である、れいわの得票となっている。ローテーション制は、こうした個人名への投票行動の期待もおろそかにすることになる。

 山本代表は「多様で多彩なメンバーが国民の負託に応えていくことを目指す」とも述べた。ローテーション制が違法ではないとしても、憲法や常識が想定しなかった事態であり、国会や選挙の軽視は明らかである。

 

 次は②。

 山本代表は「多様で多彩なメンバーで、国民の負託に応えていくことを目指す」と述べた。

 憲法や国会法は、このような事態を想定していない。参院議員の任期は6年と長く、解散もない。そうした事情を奇貨として、注目を集める狙いがあるのだろう。

 だが、交代制にしたら、議員が知見を高めるのは難しい。様々な経験も蓄積されない。

 1980年代には、ドイツの緑の党が、4年の任期を2年交代で分けたことがあるが、機能せず、すぐに廃止した経緯がある。

 病気などやむを得ない事情がない限り、任期を全うするのが議員の義務だ。党首の意向で議員をとっかえひっかえするのは、議席の私物化と言わざるを得ない。

 交代制を規制するには、新たなルールが必要だ。与野党は早急に善後策を講じねばならない。

 

 ①の「参院比例代表は非拘束名簿式で行われ」くらいしか、れいわ新選組に対する批判の根拠を見いだせない*4。筆者未調査だが、国会法第107条にある議員辞職の許可が出なかった事例はあるのだろうか。なお、議員に欠員が生じた場合については、参議院HP「よくある質問 選挙について」の、「Q 議員に欠員が出たときはどうするのですか」のところをご一読。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/goiken_gositumon/faq/a10.html

なお、〈比例代表選出議員の欠員による繰上補充実施の流れ〉の法的根拠は、公職選挙法第112条第4項、第2項である。

 

 今回の場合は、参議院議員辞職を許可しなければいいだけの話で、どうということはない。従って、産経新聞や読売新聞が社説とするほどのことではなく、それを指摘するために本稿があるのである。

 

 おそらくは、保守系と思われない、れいわ新選組だから取り上げたに過ぎないのだろう。党派的な話である。

*1:2023年1月19日時点。

*2:全国区・非拘束名簿式。意味はコトバンクで確認。

https://kotobank.jp/word/%E9%9D%9E%E6%8B%98%E6%9D%9F%E5%90%8D%E7%B0%BF%E5%BC%8F-181857

*3:他紙もそうかもしれないが、本稿では社説を取り扱うので、産経新聞と読売新聞((あいうえお順に表記。

*4:有権者が順位をつけているのだから、その順位通りにしてもらわないと困る、ということ。

暇空茜の リーガルハラスメント 成就? (暇空茜問題 日本のミソジニー(3)) 

 まずは、鉄道プレスネット「JR貨物『赤い羽根』ラッピング機関車、本年度の第2弾は一時中止 一部報道受け」(2023年1月13日)のリンクを貼る。

news.railway-pressnet.com

 

 鉄道プレスネットの記事によると、

 JR貨物は1月13日、中央共同募金会との共同企画として1月12日から実施する予定だった「赤い羽根共同募金ラッピング機関車」の運転を、一時中止することを明らかにした。

(中略)

 JR貨物の広報室は「(中央共同募金会から)ある団体への助成金について問題があるのではないかという一部報道があった。当社としても現在事実関係を確認しているところ」と話し、事実関係の確認後に改めて運転するかどうか検討するとしている。

 

 次に、赤い羽根共同募金中央共同募金会*1による一般社団法人Colabo等への助成について」(2023年1月10日)のリンクを貼る。

www.akaihane.or.jp

 

 上記赤い羽根共同募金によると(以下、箇条書きで)、

・お問合せいただいているColabo、ぱっぷすの事業に対する助成ですが、こちらは本会が独自に寄付募集を実施している「赤い羽根福祉基金」によるものであり、毎年10月から各都道府県共同募金会が募金を実施する「赤い羽根共同募金」(いわゆる赤い羽根募金)による助成ではないこと。

 

・Colaboに対しては、本会が実施する「赤い羽根福祉基金」より2018年度から2020年度までの3か年度にわたり、10代の女性を中心に孤立困窮する青少年の支援活動のための事業費として、2,680万円を助成いたしました。助成金は、Colaboが都内の繁華街において行っている「バスカフェTsubomi Café」の実施のためのマイクロバス購入費及び同事業の運営費に充当されました。なお、既に助成は終了しています。

 

・ぱっぷすに対しては、同じく本会が実施する「赤い羽根福祉基金」2020年度から2022年度までの3か年度にわたり、デジタル性被害に合われた女性に対する相談支援体制を整備するための事業費として、これまで計2,700万円を助成しております。助成金は、ぱっぷすが行う相談事業における相談員の人件費、電話代等に充当されています。なお、2022年度の助成事業については2023年3月まで実施予定となっています。

とのこと。

 

 赤い羽根共同募金のお知らせの限りでは、2023年1月17日に*2ラッピング機関車を走らせても何ら問題なさそうであるが、実際はどうなのだろう。筆者がGoogleニュースで検索した結果*3の限りでは、続報は、ない。ということは、現在も運行されていないのだろうか。

 

 ところで、なぜ今Colaboが「問題視」*4されているのか*5。その原因は、「暇空茜 自由な社会 嫌いなのか?」

 

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

で書いたように、漫画を攻撃された*6暇空茜が、「あなた方がやっている事業は後ろ暗いところはないんだろうな、徹底的に調べあげてやると覚悟を決めた。それでColaboの運営や会計についての調査を開始した」*7という、ただの八つ当たりである。このことについて、一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団*8のリーダー格である神原元弁護士に「『リーガルハラスメント』」と言われたという*9。弁護士が言うのはどうかとは思う*10が、筆者が見てもリーガルハラスメントにしか見えなかった。暇空茜のやっていることは漫画の表現の自由が広がることと何ら関係ないからである*11。この問題が1日も早く鎮静化し、赤い羽根のラッピング機関車が走ることを願うものである。

*1:赤い羽根共同募金、とイコールと見てよい。

*2:鉄道プレスネットの記事によると、2023年「1月12日から2月28日まで(中略)運転する計画だった」とのこと。

*3:

https://news.google.com/search?q=JR%E8%B2%A8%E7%89%A9%E3%80%80%E8%B5%A4%E3%81%84%E7%BE%BD%E6%A0%B9%E3%80%80%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%B0&hl=ja&gl=JP&ceid=JP%3Aja 。ただし、そこにあった、物流ニュースリリース日本貨物鉄道赤い羽根共同募金ラッピング機関車を運転」(2023年1月11日。

https://www.e-logit.com/loginews/2023:011116.php

の内容を、冒頭の鉄道プレスネットの記事は否定している。)

*4:筆者はColaboに問題があると思っていないし、その証拠もない。従って、カギカッコは、強調の意味。

*5:ぱっぷすについては、よくわからない。

*6:実際は、ゾーニングの話で、不特定多数が来場する献血ルームや温泉に不適切ではないかという、妥当性はさておき、違法ではない批判だった。

*7:デイリー新潮「『Colabo問題』追及で7000万円の支援金を集めた男性が独占告白『これはネット界におけるウクライナVSロシアの戦争です』」(2023年1月6日。

https://www.dailyshincho.jp/article/2023/01061216/?all=1

)の3ページ目。

*8:Colaboホームページ「【弁護団声明】東京都に対する住民監査請求結果について」(2023年1月4日。

https://colabo-official.net/20230104/

)参照。

*9:*7に同じ。

*10:*7によると、「『弁護士というのは法律を使って何かをする人じゃないですか。そんな法律の専門家が、法律を使った正当な手続きをハラスメントと批判することは自分の仕事を否定するに等しい』」とあり、一理はある。

*11:本来は漫画の表現の機会が減らないことが大事なわけで、仮にColaboに問題があったとしても、それが直接漫画の表現の機会を増やしたり、元に戻ったりするわけではない。単にColaboに問題があっただけになる。

学園天国と AKBは ホモソーシャル? (暇空茜問題 日本のミソジニー(2))

 「暇空茜問題 日本のミソジニー

 

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

で取り上げた、NHKEテレ「100分de名著スペシャル 100分deフェミニズム論」の話の続編を。

 

 いろいろ面白い番組であったが、今回取り上げるのは、ホモソーシャル(同性同士の絆)の話。

 

 筆者のメモによると、以下のとおりである。

・男が女を選ぶとき、ライバルも女をすでに選択していることが大切。

 

ホモソーシャルな男の欲望は女に愛されるのではなく、男に認めてもらうことである。

 

・女性にはカネと権力がなかったので、女性のホモソーシャルはない。

 

 これを見て、筆者が思ったのは、阿久悠が作詞した「学園天国」や、AKBグループが以前やっていた「AKB48選抜総選挙」は、男性のホモソーシャルと関係があるのではないか、ということである。

 

 「学園天国」の全歌詞は、Uta-Net(アドレスは後述)で見てもらうとして、筆者が思い出したのは、以下のくだりである。

 

あいつもこいつもあの席を

ただ一つねらっているんだよ

このクラスで一番の 

美人の隣を

あー みんなライバルさ

(以下略。阿久悠「学園天国」(オリジナルの歌唱:フィンガー5)。Uta-Net「学園天国」を参照。

https://www.uta-net.com/song/38408/

 

 このくだりは、まさに男のホモソーシャルを表しているのではないだろうか。みんなが狙ってライバル視するというのが大事なのである。筆者も高校時代、男性生徒の間でどの女子生徒がいいかを話し合ったことがあるが*1、これもホモソーシャルのなせる業か。

 

 AKB48選抜総選挙は、ウィキペディア*2によると、

 AKB48は人数が多いため、メンバー全員をテレビ番組に出演させるのは困難であり、デビュー当初の頃から10 - 20人前後[注 2*3]のメンバーを選抜して出演させている。選抜総選挙が開催されるまでは、プロデューサーの秋元康などのスタッフが、シングル曲ごとにその都度選抜メンバーを選んでいた。しかし、このような方法は完全にスタッフ主導であるため、メンバーやファンから「いつもあのメンバーばかり選抜されるのはえこひいきではないか」「なぜあの子は選ばれないのか」といった趣旨の不満が募っていた。また、センターポジション(ステージの前列中央)は2012年まで前田敦子が務めることが多かったが、これについても「なぜ前田敦子だけがいつもセンターなのか」といった不満があった。そこで、ファンによる人気投票によって選抜メンバーやセンターを決めるという発想が、選抜総選挙を開催するきっかけとなった

とある。

 

 ウィキペディアの内容で正しいのだろうが、序列付けをするということは、ホモソーシャルの側面があるのではないかと筆者は考えてしまった。ファンの男性同士で認めてもらうための参考として。

 

 学園天国とAKB48選抜総選挙は日本の話である。しかし、筆者の経験*4も日本の経験。日本のミソジニーの一部なのか、ヒトが持っている性質なのか。謎であると思っている。

*1:いかなる非難も甘受するが。

*2:2023年1月16日アクセス。

https://ja.wikipedia.org/wiki/AKB48%E9%81%B8%E6%8A%9C%E7%B7%8F%E9%81%B8%E6%8C%99

*3:この部分の内容は省略。

*4:本文「筆者も高校時代、男性生徒の間でどの女子生徒がいいかを話し合ったことがある」のところ。

高齢者と 女性は支持せぬ? 自民党

 今日2023年1月15日の読売新聞統合版12版10面の「展望2023 人々の声 正確な縮図に」(世論調査部長 湯元浩司)*1が面白かったので、以下、引用しつつ検討する。

 

 読売新聞社が毎月実施する電話全国世論調査は、世論を「10万分の1」の縮図で再現する作業だ。1億人の有権者から、無作為に選んだ1000人の声を集めている。

そうだが、その方法は、「家庭の固定電話への調査」*2とのことだが、実際の世論調査の方法は、例えば、読売新聞オンライン「2022年12月 電話全国世論調査 質問と回答」(

https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20221204-OYT1T50156/

)によると、

【調査方法】12月2~4日に、コンピューターで無作為に作成した固定電話と携帯電話の番号にかけるRDD◎方式で18歳以上の有権者を対象に実施。固定では有権者在住が判明した722世帯の中から434人、携帯では応答のあった1516人の中から635人、計1069人の回答を得た。回答率は固定60%、携帯42%。

といったところで、固定電話と携帯電話で調査するようである。

 

 湯元によると、

 家庭の固定電話への調査は、最初に高齢者や女性が出ることが多い。そのまま質問を始めると回答が偏る。「同居する有権者の人数」を訪ね、そこから無作為に回答者を選ぶ「一手間」をかける。*3

という。一方、

 一部の報道機関は、機械式自動音声の世論調査を採用し、ルールも簡略化している。負担軽減が理由だろう。だが、回答に野党支持者が多すぎるなど、縮図はいびつに見える。*4

とのこと。

 

 携帯電話の場合に、例えば番号で男性か女性かわかるわけがないから*5、せっかく固定電話への調査においてわざわざ一手間をかけてもそれほど正確に反映できるとは思えないが、肝心なのはそこではなく、機械式自動音声の世論調査だと、「回答に野党支持者が多すぎる」というところである。

 

 仮にそうだとすると、「最初に高齢者や女性が出ることが多い」*6とすれば、高齢者や女性は野党支持、裏を返せば自由民主党は支持しないということになる。

 

 だいぶ前に筆者は、「自民党 女にモテない 政党だ」

 

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

という記事をアップしたが、投票の面でもそういうことがあるのかもしれない。

 

 高齢者がなぜ自由民主党を支持しないのかはわからないが、「男らしさ・女らしさ」にこだわる自由民主党を女性が支持しないとすれば、合理的である。「自由民主党 男らしさ 女らしさ」でググったところ(アドレス略)、「自民党過激な性教育ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム会合(7月7日)*7提出資料」なるものを見つけた。

https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku/siryo/pdf/12-1-2.pdf から。資料1は、おそらく右側が自由民主党のプロジェクトチームの見解と筆者は推測した。一部妥当なところも散見されるが*8女性がこれを見たら、自由民主党を支持しないだろうな、と思われる内容が多い印象であった。

 

 現在の自由民主党が、2005年7月7日の資料のような考え方が主流ではないことを信じたいが、読売新聞の世論調査部長が暗ににおわせたこと*9は、反省材料だろう。

*1:読売新聞の読者会員であれば、ウェブでも見られる。

https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20230114-OYT1T50173/

*2:読売新聞2023年1月15日統合版12版10面「展望2023 人々の声 正確な縮図に」

*3:*2に同じ。

*4:*2に同じ。

*5:「【調査方法】」以下の引用文を再読されたし。

*6:*2に同じ。

*7:男女共同参画局HP「第12回男女共同参画基本計画に関する専門調査会議事録」(

https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku/gijiroku/ke12-g.html

)に、「資料1「自民党過激な性教育ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム会合(7月7日)提出資料」です」とあるので、2005年7月7日の資料と思われる。

*8:いちいち触れない。

*9:「仮にそうだとすると」以下の段落を再読されたし。