清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

カネにならぬ 戦い実は 大切か

 Xにある某ポストで取り上げられていた、労組と弾圧:関西生コン事件を考える.毎日放送.2024,(映像'24).を観た。大まかな内容は下記のリンクから。

www.mbs.jp

 

 なお、見逃し配信については

https://www.mbs.jp/eizou/から。TVerは2024年4月16日11時59分に配信終了予定である。それ以後は、おそらくMBS動画イズムが確実であろう。

 

 先ほど「大まかな内容は」云々と書いたが、筆者なりにもまとめると、連帯ユニオン関西地区生コン支部*1、通称「関生」の組合員が各地で81人逮捕され、71人が起訴された。そのうち無罪を主張した被告人延べ31人のうち、10人が無罪になるという、確定判決の有罪率が99%超とされる*2日本において異例の状況が起こっているという話。

 

 いわゆる「関生」は、いつも闘争的というわけではないが*3、時には闘争も辞さない。その「闘争」は、労働組合法第1条第2項で免責される場合もあるが、労組と弾圧:関西生コン事件を考える.で取り上げられているように逮捕から起訴に至るものもある。

 

 逮捕された組合員の中には、警察から脱退するように言われる人がいた。その時の態度は別れ、脱退して起訴を免れる人もいれば、拒否して起訴に至る人もいる。すなわち、現在においても、国家権力が労働組合を敵視して、脱退を促すようなことがあるかのような状況になっている。

 

 警察から脱退を促された場合にどのような態度をとるのかはどちらもあり得るだろう。速やかに脱退した人を否定しても始まらない。しかし、おススメするものではないが、脱退勧告を拒否して戦うのは立派だと思う。身柄の拘束が長引き、さらには裁判になれば、諸費用がかかるうえに、働けない場合もある。そこまでして争うことがいかに勇気が要るかを考えさせられた。

 

 前後するが、筆者は最近、熊本博之.辺野古入門.筑摩書房,2022,(ちくま新書1650)を読んだ。辺野古地区の住民、名護市、沖縄県が「『決定権なき決定者』」*4にされてしまっており、そのような状況に追い込んでいるのが、いわゆる本土の人であるという内容である。

 

 辺野古の人の立場に立てば、辺野古基地建設反対を唱えても交付金は獲得できないし、日本政府と話し合いもできないので、辺野古基地建設よりも日本政府と話し合える候補者を選ぶというのは理解できる。

 

 熊本博之.辺野古入門.p.217には「金は一瞬海は永遠」というビラが貼られ、それについて熊本は「一方的な解釈に基づいた」(p.217)と非難する。しかし、基地反対が妥当だとする人には通用しないだろう。

 

 もちろん、個々人のよって立つ立場、経済的状況、その他から、現実と妥協するのはアリである。しかし、金銭面で損をしても戦うことを否定もできない。労働組合ストライキ*5、組合脱退を目的としていると言われても仕方がない身柄拘束、辺野古基地建設反対にそれを感じるというのは強引だろうか。

*1:ホームページのアドレスは、

https://www.kannama.com/,(参照2024-04-12)である。

*2:"刑事事件の有罪率は本当に99.9%なのか?統計からひも解く日本の本当の有罪率".アトム法律事務所。2023-11-21.

https://atomfirm.com/keiji/4386

,(参照2024-04-12).を参照。

*3:労組と弾圧:関西生コン事件を考える.によると、大阪広域生コンクリート協同組合(

https://www.osaka-kouiki.or.jp/

,(参照2024-04-12))とタッグを組んで大阪の生コンクリートの値段を東京都より高くして、その結果従業員の賃金が上がったそうである。

*4:熊本博之.辺野古入門.p.212.

*5:ノーワーク・ノーペイの原則があるとされる。菅野和夫.労働法.第7版補正版,弘文堂,2006,p.575,(法律学講座双書).