清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

日本より 記者の倫理を 問いたまえ

最近の読売新聞の連載記事に、「漂流する倫理」というのがあった。その記事で日本人の倫理を問うのは有意義だった。しかし、記者さんが倫理観を書く記事を書いたとすれば、話は別だ。

その記事は、5月20日朝刊の「方位計―気鋭の改憲論者 どこに(前木理一郎記者執筆。以下、「記者」と記す))」(4ページ。仙台では)。ネット上にはないようなので(読売新聞のサイト参照。http://www.yomiuri.co.jp/)
、ところどころ引用しつつ論じる。詳しい内容をお知りになりたい方は、図書館などで読んでいただきたい。

第3段落までは特に問題がないので、省略。問題は第4段落から。

第4段落~第7段落を見ると、「現代憲法学の奇才」「20年に1人の逸材」(右記の「ウィキペディア」の石川健治教授の頁参照。http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E7%9F%B3%E5%B7%9D%E5%81%A5%E6%B2%BB&oldid=12643991
とされる石川健治教授の論文を見て、「これが研究者の間で「憲法3天才の1人」とされる人の考え方なのか・・・・・・。」と記者さんが書いているが、これはおかしい。というのは、「現代憲法学の奇才」などの評価は、憲法第9条の話ではない(石川さんの論文は「制度的保障」に関するもの)と思われるからである。

第8段落からはさらにひどくなる。第9段落から第10段落において、棟居快行教授が「若手研究者が「護憲」の論陣を張ることにユニークな見方を示し」たとして、以下のコメントを載せた。すなわち、

「彼らが改憲となったら、政府や与党もまともな学者を集めたいわけだから、改正原案作りなどに引っ張られ、すごく忙しくなる。(現憲法起草にかかわった)東大の宮沢俊義教授のようなことをやらされたら勉強できなくなる、と思っているのではないか」

というコメントである。

私は石川さんに取材したわけではないので、上記の棟居さんのコメントが正しいとも間違えだとも断言できない。しかし、この棟居さんのコメントは、石川さんから直接聞いていない限り(「思っている」から判断した)、はっきり言ってしまえばインターネットの掲示板に書かれているような(私はそう思わないが、読売新聞の記事にそういう内容のものがあった)誹謗中傷である。こんなことをしゃべる学者さんの嫉妬深さ、ならびにこれを書いてしまう記者さんに呆れてしまった(ついでに言うと、記者さんは石川さんに取材したのだろうか。記事を読む限りはその形跡はない。これは週刊誌よりひどいな(実際の週刊誌はよく取材されている記事も多いように思う))。

第11段落で、安念潤司教授が、「憲法の世界では、改憲論は、はっきり言って二流学者」と言ったそうだが、これはある意味正しい。というのは、〃竫ヽ惻圈覆箸いΔ、成文法の学者)の主な仕事は解釈論であって(憲法第9条であれば、自衛隊が意見か合憲か)、政策論ではない(憲法第9条であれば、改正すべきか守るべきか)し、憲法は国家権力を制限する規範であるにもかかわらず、それを無視して、歴代政府が自衛隊という「戦力」を充実させれば、それを批判するのは学者として当然だからである。

読売新聞は、えらそうに日本人の倫理を問う前に、自分の都合のいいように捻じ曲げたり(石川教授についてのウィキペディアの引用ついて)、何の躊躇もなく誹謗中傷とも取れるコメントを載せる記者さんの倫理を問うべきである。