読売新聞2009年10月11日朝刊4面(仙台では)に、川端達夫文部科学大臣のインタビュー記事が載っている(「こう変わる 川端文部科学相 研修で教師の質向上」)。アナクロ自民党の教育政策はダメに決まっているが、民主党はどうなのか?以下、検討する。
まず、公立高校授業料の実質無償化は、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第13条第2条(b)に沿っており、妥当な政策である。
読み進めると、以下の質疑応答が。
「―大学などの高等教育は無償化しないのか。
「大学進学率は高校に比べて低く、学生本人のスキルアップの側面がある。(無償化ではなく)自分の未来に投資するという位置づけで、奨学金制度を拡充することが妥当だ」」
財政や進学率の現状からすれば仕方ないが、将来的には、大学の無償化も検討すべきだろう(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第13条第2条(c)参照)。
「―教育における国は地方の役割をどう考えるか
「(前略)地方自治体には、教育に独自の工夫があっていい.(国の関与を限定する)方向性を目指したい」
―その場合、教育の中立性が損なわれないか」
文部科学大臣、記者、ともにエラーが。独自の工夫は、教員だろう、模範解答は(憲法第23条参照)。でも、深刻なエラーは、記者のようだ。「教育の中立性」?国が介入したら「中立」なのか?地方だと懸念して、国は懸念しないのはおかしいのではないか?
「―教師の質を向上させる方策は
「子どもの学力が世界水準に比べて芳しくないという指摘がある。政権公約には、教員養成の6年制や現在の教師が能力を向上させるための研修を盛り込んだ。研修を通じて教師の質を上げることは間違いなく必要だ(以下略)」」
これは、そもそも論に疑問が。教師の質が落ちたから、子どもの学力が落ちたのか?最近ジョン・メディナ 『ブレイン・ルール』(NHK出版)を読んだが、それによると、家庭内でのストレスは、学力の形成に負の影響(つまり、ストレスが多い(たとえば、親同士の仲たがい)と、学力が低い)が生じるとか。教員のせいにする前に、親が反省すべきかもしれない。次に、「教員養成の6年生」だが、反対はしない。しかし、中身が問題。大学院レベルが教えるのに必要(フィンランドのように)だというのならばわかるが。最後に「研修」について。これに関しては、おそらく現場の教員の話を聞いてからのほうがよいかもしれない(教員がどのような研修を求めているかが大事。研修のせいで時間に余裕がなくなれば本末転倒ではないか)。