「ベストテレビ」(下記URL参照。 http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/48644761.html
http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/48738090.html
)でドキュメンタリーの面白さに目覚めた(?)私は、昨日は夜更かしして、NHK教育のETV特集「死刑囚 永山則夫~獄中28年の対話」を見た。
永山則夫は、ご存知の通り、少年の時に連続して射殺した人である。なお、かなりの方が実名をご存知でしょうから、匿名にはしません。
一般論として、凶悪犯というのは不幸せな人が多いのだが、永山もそう。北海道で生まれたが、網走で捨てられてしまった。そのときのショックはどんなだったのだろう。
生きていくうえで犯罪を重ねたのが原因か、集団就職で上京してもうまく人間関係が結べなかったようだ。以前の犯罪がばれると会社をやめるということをしたそうで、職を点々とする。
そうこうしているうちに、絶望のあまり、4人を次々と射殺してしまう。
裁判では、社会糾弾の弁論をしたそうだ。たしかに一理あるところもあるが、今でもそうだろう、「人や制度のせいにするな!」という反発が当然出てきて、第1審では死刑。
前後に、和美さんという人と結婚したという。和美さんのお父様はフィリピン人だったとかで、戸籍すら作れず(今は大丈夫だろうが)、ハンディを負ってしまう。たまたま永山裁判のことを知り、同情もあって手紙を送ったことがきっかけで結婚したとか。
和美さんは永山に頼まれて被害者遺族のところへ謝罪へ行く。そこでは苦労したそうだ。
和美さんと出会って永山の精神は落ち着き、反省を深めたようだ。
そうこうしているうちに、2審では無期懲役になった。
そこで、厳しい裁判批判が行われ、検察側も上告し、最高裁で破棄差し戻し(「実質的な死刑」とのナレーションが。いわゆる光市母子殺害事件もこのような事例だから、たいていの弁護団批判は的外れ)。これがきっかけに永山は希望を失い、和美さんと離婚し、弁護士(大谷恭子さん)を解任した。
あらすじはこんなところだが、私は以下のことを考えた。
“畛瓦平誉犬鯀?辰身蛤畆圓發い襪里世ら、少しは同情心を持つべきである(もちろん、被害者はもっと悲惨なのだから、犯罪者より当然同情されるべきである)。
∪篷召亡戮襪箸呂匹ΔいΔ海箸、ということがわかる(一言でいうと、ポジティブなことが考えられず、やけになる。なお、永山事件では、結果的に第2審の無期懲役で余計ショックが大きくなったようだが、こればかりは裁判官の判断だから仕方ない。むしろ、被告人側にも情状があった微妙な事例だったと解するべきだ(と言っても、私ならば(当時の法律を前提とすれば)死刑以外考えられないが))。
資本主義社会には貧困が付き物で、そのために悲惨な境遇に陥る人がいる。しかし、現時点では資本主義がおそらく最善であり、また、資本主義社会以上の社会はいまだ構想されていない。
た佑鮑曚ことはむずかしい。
このようなことなどを考えさせられるいい作品であった。来年のベストテレビで見られるだろうか。
*文中一部敬称略