清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

ベテランが 「時代に取り残 され」てるか

ネットサーフィンをしていたら、『ダイヤモンドオンライン』「『誰もボクをわかってくれない』“平等”に育ち、努力も勝つことも知らない世代」(「プライドだけは一人前!?俺様社員の取扱説明書【第2回】 2010年6月18日 内田和俊 [SYPシステム専属専任講師] )(2010年6月24日アクセス。1ページ目は、http://diamond.jp/articles/-/8476
と銘打ったサイトを見つけた。本エントリーにおいては、ところどころ引用しつつ(カギカッコ内)、上記サイトを研究する。

「『世界に一つだけの花』(中略)の歌詞の中にある『ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン』という考えをビジネスの現場に持ち込まれたら、ビジネスリーダーはたまったものではありません」はその通り。正しくもないし。こんな曲がヒットした日本のJ-POPは、レベルが低いですな。

「最近の若手社員に多い『俺様社員』や自己満足で終わっているような人たちは、少子化の影響とゆとり教育(*)で大事に大事に育てられてきたせいもあり」って、なんか根拠あるの?「もともとオンリーワン信仰が強く」のデータも私の知る限り、ないし。

「確かに、私たちが若いときも根拠のない自信はあったと思います。ただ、多くの人たちの愛の鞭で、その根拠のない天狗の鼻は折ってもらえたものです」→ということは、このサイトの読者のコミュニケーション能力が劣化した、もっと言うと、ニッポンの若者以外の会社員のコミュニケーション能力が劣化した、と判断していいようだ(「その根拠のない天狗の鼻は折」ることもできないのだから)。

「(*)「ゆとり教育」について
1992年(平成4年)9月から学校では第2土曜日が休みになる。
1995年(平成7年)4月からは、第4土曜日も休みになる。さらに、この年、中学校1年生の年間の5教科授業時数が年間665時間から560時間に削減された。
2002年(平成14年)4月からは、完全5日制になる」→これのどこが悪いの?日本だけだったっけ、完全5日制は(詳しく調べていないが、ヨーロッパはほとんど完全5日制のはず)?授業数は少ないが、先生が働きすぎという状況(熊沢誠『働きすぎに斃れて』(岩波書店。2010年)p137に載っている、朝日新聞2009年6月3日付によると、授業時間数はOECDの平均以下でも、勤務時間数はOECDの平均以上である)は考慮しないと。あと、授業時数を増やしたければ、4月入学をやめたり、エアコンを導入したりすることを検討すべきだろう。それすら書かないのでは、レベル低いな。

宮沢賢治の『雨ニモマケズ』の現代版」の検討に移ると、

「イツモブツブツ 不満ヲイッテイル」のは、いいんじゃないか?不満がないと、改善もしないだろうから。むしろ、「毎日塾ニ追ワレ テレビニ吸イツイテ 遊バズ」のほうが深刻だとすると、ゆとり教育批判と矛盾する。一方、 「東ニ病人アレバ 医者ガ悪イトイイ」は悪くないだろう。ある意味消費者なんだから。医者がきちんと説明しろよ!「日照リノトキハ 冷房ヲツケ」だって、それで勉強できればいいんじゃないか?昔と暑さが違うようだから(温暖化)。「ミンナニ 勉強勉強トイワレ」と「叱ラレモセズ コワイモノモシラズ」はつながらないんじゃないか(勉強しないと叱られるのでは)?

「日本という国は資本主義国であるはずなのに、教育の現場では、自由競争の厳しさに背を向け、社会主義国でもないのに平等ばかりが声高に叫ばれるようになってしまいました」→そのわりには、受験勉強は上限なしなんだよなぁ(ヨーロッパのある国は、合格点を設定しているところがあるとか。なお、ほとんど留年がないのは戦後ずっとそうで、年齢制限があるのならば、合理的なはず。年齢差別撤廃を唱えられないのでは、終わっていますな)。

「競争を知らない人は、競争に勝つことによって得られる充実感や達成感などのメリットを知りません。また、競争には失敗や挫折がつきものですが、そこから多くを学べることも知らずに生きていくことになってしまいます。/努力なくして、また負けるリスクなくして認められるなら、誰だって努力はしなくなるでしょう」→これ、一面的だよな。競争に負けて失敗や挫折をして立ち直れなくなることだってあるじゃん。あと、日本の教育で、「努力なくして、また負けるリスクなくして認められる」シーンを想像できないが(大学受験は厳然とある。一方、ドイツのデュアルシステムの職業人養成コースだと、そんなに学力は厳しく問われないらしい)。

「努力することを知らないから、あきらめが早くなる」もそうとばかりはいえないだろう。負けが込むから「あきらめが早くなる」ことだってあるんじゃないか?

「私が塾を経営していたとき、生徒に共通して感じていたのは、彼らの日本語能力の低下でした。/彼らは往々にして自分流の言葉や表現を使って物事を説明するものだから、こちらとしては意味がわかりません。ただ、親や学校の教師をはじめとした周りの大人たちは、少子化ゆとり教育のせいか、子供たちを大切に扱いました。言葉足らずや表現力の不足など稚拙な日本語であっても、彼らの真意を酌み取ろうとしました。/つまり大人の側が気を利かし、彼らをわかってあげようと努力したのです。その結果、彼らはわかってもらおうという努力をしなくなってしまいました」→内田さん、ほんとにコミュニケーション能力がないな。わからなければ、「真意を酌み取」る努力をした上で説明を求める(後述)のは当然じゃないか。

「何を言っているのか、または何を言いたいのかが不明であれば、当然、私としては詳しい説明を求めるわけですが、私が詳しい説明を求めると『じゃあ、いいです』という答えが返ってきたものです。『じゃあ、いいです』という言葉を聞くたびに、私は相当カチンときた記憶があります」→内田さんの態度が「カチンと」させるようなものだったのだろうか(実際に見ていないからわからないよ)?

以上、バカバカしいながらも検討したが、SMAPの歌の解説以外は、全然ダメで、これじゃ、『ウェブはバカと暇人のもの』(中川淳一郎著。光文社新書。なお、この本はダメ本なので、読むのは「暇人」(アマゾンのレビューを御覧ください))と言われても仕方ないよな。

しかし、本エントリーで取り上げたサイトがニーズがあるとすれば、日本の会社員のかなりの数が「時代に取り残され」(浜井浩一『2円で刑務所、5億で執行猶予』(光文社新書。2009)ているようで、これじゃ日本経済ダメだわな。