筆者は今、キャメロン,デボラ.はじめてのフェミニズム.向井和美訳,筑摩書房,2023,(ちくまプリマー新書435).を読んでいるが、そこに注目すべき記述があったので紹介する。
専業主婦は…略…経済的には夫に依存しており、依存は不平等の形を取るため、夫婦の関係において妻が不利になるだけでなく…略…女性全体がますます経済的不利益を被るようにもなってしまいます。女性は「稼ぎ手」である男性の収入に頼ればいい、という考え方が、すべての女性の賃金を安く抑える言い訳として長いあいだ使われてきました。そのため、実際には女性の収入に頼っている多くの家族が、ますます貧困へと追いやられてしまうのです。*1
これは、配偶者控除の類がなぜダメかを記しているように思うのは、筆者だけだろうか。
つまり、配偶者控除等の類があると、「女性全体がますます経済的不利益を被る」*2ことになるのだ。
一方、筆者は、三木義一.日本の税金.第3版,岩波書店,2018,(岩波新書1737).を読んでおり、「配偶者控除の本質は基礎控除である」(p.40)という理屈も承知している。しかし、「女性は「稼ぎ手」である男性の収入に頼ればいい、という考え方が、すべての女性の賃金を安く抑える言い訳として長いあいだ使われてき」*3たとすれば、配偶者控除等の廃止は検討に値するのではないか、と思った。
代替案としては、基礎控除の増額になるだろう。そうなると、女性に賃金労働のインセンティブが起こると思われる。ただ、そうなると、国の税収面がどうなるかは現時点では検討していない。
ともあれ、少々ラフだが、配偶者控除の類の廃止は、検討に値しそうである。