横綱朝青龍が、腰の骨折や肘の怪我などの診断書を提出したにもかかわらず、モンゴルでサッカーをしていた問題で、財団法人日本相撲協会は、以下の処分をした。すなわち、
―場所と九州場所の出場停止
減俸30%(4カ月)
6綵場所千秋楽までの謹慎(謹慎中は特別な理由がない限り自宅、高砂部屋、病院だけに行動を制限し、モンゴル帰国も原則として認めない)。
の処分を下した。
(以上、時事ドットコム(http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2007080100733)
より引用)
一般の労働者が理由を偽って年次有給休暇をとっても、気まずくはなるかもしれないが、労働者の自由とされる(最高裁第2小法廷判決昭和48年3月2日民事判例集27巻2号191頁。もっとも、虚偽の理由を記載した年休届の提出は、「勤務に関する所定の手続きを怠ったとき」に該当し、懲戒理由となる、とするものもある。東京高等裁判所判決昭和55年2月18日労働関係民事裁判例集31巻4号49頁)。それに比べたら、さすが横綱、厳しい処分ですね。
ただ、今回は、「診断書は正当なものだ」として、誤解を招いたことが処分の対象なのだそうだが、それにしては重いような気もする(仮病ならわかるが。もしかしたら、仮病だと判断したら、引退もありえたのか)。
また、過去の処分例から見ても重いかもしれない。TVで見た限りでは、不眠症を理由に休場したのに、ハワイでサーフィンをしていた横綱が厳重注意になった事例があるそうだが、それと比べたら重いか(ついでに言うと、休場した直後に野球を観戦して、引退に追い込まれた横綱もいるそうだが、これは今回より重すぎると感じた)。