福岡県福岡市の公園で、母親が目を離した隙に、小学1年生の息子が殺されたという。
大変痛ましく、かつおぞましい事件だ。
ところで、この事件を捜査する福岡県警察が真っ先に疑うのは誰か?
変質者?違う。おそらく、親族や、知人である。というのは、殺人事件の加害者は、親族や知人の方が、見ず知らずの人より多いのが経験上明らかであるからである(読売新聞にもある本からの引用で載っていた。もっとも、その本のタイトルを忘れてしまったが。また、アメリカの本でも類似の説が唱えられているのを翻訳で読んだ)。
しかし、とりわけ、親族の方は、被害者でもある。
「被害者は、その尊厳に対して同情と尊敬の念をもって扱われるべきである」(犯罪及びパワー乱用の被害者に関する司法の基本原則宣言(通称『国連被害者人権宣言』)第4条。諸澤英道『被害者学入門』(p532~)参照)。警察の方はそれなりの対応をすると信じたいが、捜査熱心のあまり、被害者である親族の方の尊厳をないがしろにすることがあるかもしれない。
そのようなことは断じて許されない。しかし、尊厳を意識しすぎて、捜査が緩むこともあってはならない。
警察の捜査というのは、難しいものを抱えているものなのだと思う。