清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

最高裁の 肩を持ってる 読売が

『読売新聞』2010年9月12日朝刊13版38面(仙台では)「司法修習制給与廃止 日弁連が反対 最高裁、異例の質問状」(以下、「朝刊」)、ならびにYOMIURI ONLINE最高裁日弁連に質問状…司法修習生給与問題」(2010年9月12日03時04分 読売新聞。同日アクセス。http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100911-OYT1T00966.htm
は、客観報道のふりをして、最高裁をヨイショする、噴飯物の記事である。以下において検討する。なお、最高裁が質問状を送ったという趣旨の記事は、このエントリーup時点では、読売新聞しか報道していなかった。最新状況は、Googleニュースの検索「司法修習 貸与制」(http://news.google.co.jp/news/search?pz=1&cf=all&ned=jp&hl=ja&q=%E5%8F%B8%E6%B3%95%E4%BF%AE%E7%BF%92%E3%80%80%E8%B2%B8%E4%B8%8E%E5%88%B6
参照)。

「『富裕層しか法律家になれなくなる』として給費制の継続を訴えている日本弁護士連合会(日弁連)に対し、最高裁がその根拠となるデータを示すよう求める質問状を出した」→仮にデータがなくても、想定はしうると思うが。

以下においては、「朝刊」の記事を引用しつつ論じる。

日弁連が昨年の司法試験合格者約1500人に行った調査では、法科大学院の学費などで平均約318万円の借金を抱えていた」→法科大学院の学費って、おそらく旧司法試験の予備校のそれより高いのだろうな(合格するまで約100万円と聞いたことがある。現在のほうか大学院の学生構成を調べていないのでなんとも言えないが、おそらく現在のほうが、旧司法試験のときよりアルバイトをしている人が少ないと推測する)。

「貸与制に移行しても、返済が始まるのは弁護士になってから6年目以降で、10年間に毎月2万~3万円程度払えばよい」→法曹人口が増加しているので、支払いが容易でないことぐらいわかろうに。この書き方では最高裁をヨイショしているにすぎない(引用文章からは、日本弁護士連合会の主張が見えない)。

日弁連の調査でも、平均的な弁護士の所得水準は一般より高い」→日弁連の調査を見ていないのでなんとも言えないが、「平均的な弁護士の所得水準」は比較として不適当。稼ぐ人がすごく稼ぐのはどの社会でも同じだろう。比較するならば中央値でなければならない(これが容易でないのは承知しているが)。また、事務所の経費などを差し引いた、可処分所得で比べているのだろうか?

そもそも、読売新聞をはじめ(推測)、一般社会の新入りの職員は、利益を上げているわけではないうえに、OJTがあるのに、賃金・給料がもらえ、将来的に返済する必要がない。司法修習だって同様のものだとすれば、給費制は当然だろう。貸与制にすれば、経済的に合理的な人間なら法曹を敬遠することが懸念される(ほかの職業では賃金・給料がもらえるのに、司法修習生だと返済しなければならないから)ことぐらいわからなかったようですな、読売新聞は。

最後に、法科大学院制度を持っているアメリカには、司法修習はない。卒業したら弁護士事務所又は検察に勤めて実務を学ぶ。日本も、貸与制にしなければ成り立たない司法修習ならば、いっそのことやめちゃって、法科大学院や法律事務所などがやればいいだろう。