清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

官僚も 相当程度 問題だ

無茶苦茶なことを叫ぶので有名な(?!)読売新聞社説、今日は「野田内閣発足 国難乗り切る処方箋を示せ(9月3日付・読売社説)」(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110903-OYT1T00074.htm


社説によると、「民主党政権はこれまで、誤った「政治主導」のもと、官僚を意思決定の場から排除し、官僚の離反とサボタージュを招いた」とある(そのほかにも無茶苦茶なところが散見されるが、本エントリーでは触れない)。

しかし、民間人の感覚からすると、引用した社説の部分は、無茶苦茶である。民主党のやり方がどうあれ、「離反やサボタージュ」は、職務専念や、上司(この場合、政治家で問題はない)の指示・命令への服従といった義務に違反しており(菅野和夫『労働法(第7版補正版)』(弘文堂法律学講座双書、2006。最新版での確認を乞う)、官僚が一方的に悪いだろう。

ただ、読売新聞は、よく読むと有益な記事が載っており、そちらも紹介する。

YOMIURI ONLINE保安院、官邸に報告せず…放射性物質の拡散予測」(紙では2011年9月3日朝刊13版37面(仙台では)。http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110902-OYT1T00978.htm
によると、「「SPEEDI(スピーディ)」で放射性物質の拡散予測も行っていたが、官邸の危機管理センターには、2、3号機のERSSの予測を送るだけで、SPEEDIを含む1号機の予測結果は報告していなかった。/(改行。清高注)森山善範・原子力災害対策監は、今回の予測も含めて保安院がSPEEDIで解析した45件のうち、官邸には2件しか送付していなかったのを認めた上で、「(送付しなかった)理由は分からない。SPEEDIを使うという思いが至らなかった。問題があった」と述べた」という。

紙で続けると、「官邸に送られたERSSの結果についても森山対策監は「(前略)保安院から(官邸側に)説明が行われた形跡はない」と話し、情報が適切に伝わらなかった可能性を認めた」という。

官邸に全く問題がないとは言わない。しかし、官僚組織のほうにも、相当程度問題があった可能性が高い、ということである。もっとも、システム上の問題も否定しないが。

自由民主党のHPに、「菅内閣不信任決議案趣旨説明 大島理森副総裁 平成23年6月2日」(http://www.jimin.jp/policy/parliament/0177/110271.html
というのがある。いくつか文章を引用すると、

「いろいろな判断ミスがあったことは、既にこの原発の事故の対応、災害においても明らかであります。初動対応をめぐる、あなたの数々の判断ミス、振る舞いがここまで事態を深刻化させました」

「いくらあなたがすべてを否定し、言い訳し、人のせいにして責任を逃れようとしても、初動の数々のミスの原因が、あなた一人にあったことは隠しようがないのであります」

「行政職を信用せず、口を挟ませないことが政治主導である、そんな間違った思い込みにとらわれたあなたが、行政や現場の専門家の助言に耳を傾けず、緊急時に外部の専門家に意見を求め、根拠もなく、それを信奉し、決められていた手順、マニュアルを無視し(そのような事実があったとすれば私も問題だと思う。清高注)」

「あろうことかSPEEDIの予測を公表せず、住民避難には活かさずに、大規模な住民被ばくを招いた疑惑もある」

これらは、相当程度虚偽の可能性が高まったと言えよう。虚偽の理由じゃぁ、不信任決議が否決され、信任状態が継続されても仕方ないわな。

*2011年9月4日追記
読売新聞2011年9月4日朝刊13版18面「福島事故 住民への情報遅れ反省」では、寺坂信昭・前原子力安全・保安院長が、「『予測情報は官邸まで来ていた』」と言っております。みんな自分がかわいいということは頭に入れて、実際はどうなのかを探求していただきたいですね。