とんでもないことではある。
しかし、「体質」の問題だろうか?
YOMIURI ONLINEでは、「原発事故議事録 「作成せず」は民主党の悪弊だ(1月27日付・読売社説)」(以下、②。http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120126-OYT1T01267.htm) でも「誤った「政治主導」と「官僚性悪説」に起因する民主党政権の体質の問題でもある」としている。
しかし、読売新聞東京本社版2012年1月28日朝刊12版3面(以下③)によると、「岡田副総理が外相時代に実施した日米間の『密約』調査では、『当然あるべき文書が見つからず、見つかっても不自然な欠落があるのは遺憾だ(以下略)』と外務省の有識者委員会から批判されている」という。
「『密約』」調査は民主党政権でも、「『密約』」は自由民主党政権下のこと(ウィキペディア「西山事件」(2012年1月28日アクセス。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6) によると、「外務大臣となった岡田克也は外務省に、かねて計画していた情報公開の一環として、密約関連文書を全て調査の上で公開するよう命じた」とある)。どうも、民主党政権の体質の問題ではなく、歴代日本政府の問題のようだ。
②では、「多くの会議で出席者を政治家に限定し、発言を記録する官僚さえ排除した」とあるが、①では、「会合の大半に官僚がいたにもかかわらず」とある。①が後で書いてあるので、①を正しいと勝手に認定すると、民主党の体質とすることが、なおさら無理なように感じる。
もっとも、①によると、「当時の内閣官房幹部は「政務三役から言われない限り、あえて過去の会議の議事録を事後作成しようと言い出す発想は官僚にはない」と語り」とある。ところが、③で、春名幹夫・名古屋大学大学院特任教授は、「歴史的に、官僚が自ら記録を残さないということはなかった」とある。①と③は矛盾しているが、③の根拠が抽象的なので、①を勝手に正しいとすると、民主党の体質というのは、やっぱり無理なように思う。
大事なのはそんな問題ではなく、原因探求と再発防止だろう。