本エントリーは日本語話者にむけて日本語で書いており、読者に日本人*1や日系人が多いと推測するが、そうであれば冷静になって、差別問題においては中国人や韓国人の味方をすべきという話。
ネットサーフィンをして目についた記事の一つは、Record Chinaの「カナダでアジア系ヘイト『中国へ帰れ』『私は韓国人だ』『アジア人嫌い。特に韓国人』」である。2022年9月5日9時30分にアップされた記事。
記事によると、
中国のニュースサイトの観察者網によると、カナダのノースバンクーバーで先月、すし店の韓国人オーナーが白人女性から人種差別攻撃を受けるということがあった。
記事によると、オーナーは、白人女性が飼い犬にすし店のドアに向かって排尿させるのを見かけたため止めようとした。すると、白人女性はオーナーに向かって「中国へ帰れ」と叫んだ。
オーナーが自分は韓国人だと説明すると、白人女性は「韓国人、日本人、中国人かどうかは関係ない。アジア人が嫌いだ。特に韓国人は犬肉を食べるので嫌いだ」と述べた。警察が現在、捜査を進めているという。(以下略)
とのこと。
筆者の印象だが、日本語話者の多数を占めていると推測される日本人は、中国*2や韓国について、批判を越えて、憎悪の心を持っている人が多い。
そういう心は内心にしまっておいて発表しない方がいいと忠告するが、上記Record Chinaの記事を見て、(これだから中国人や韓国人は)と思うのはやめた方がいい。
記事の限りでは、「白人女性」が悪いとしか言えない。「排尿」が迷惑なのはいうまでもないからである。
しかし、日本人は、「中国」や「韓国」という文字が目に入ると、とたんに(中国(人)や韓国(人)が日ごろから悪いことをやっているから、自業自得だ)みたいに思ってしまい、インターネット上でも書きこんでしまう*3人が多いように思う。
排尿が悪いのみならず、アジア人全体が差別されているというニュースなわけであるから、中国人や韓国人の側に立って、「アジア人を差別するのはやめろ!」と、勇気をもって表現すべきである。
なお、「『特に韓国人は犬肉を食べるので嫌いだ』」について。筆者は犬を食べないが、犬を食べるというのは、タンパク質が不足している地域では、昔はよくあったのである。犬を食べることについて否定的な人は、ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』(上下2巻。草思社文庫、2012)でも読んで、人間の歴史を謙虚にたどるべきである。現在犬を食べる人が少なくなったとすれば、それだけ豊かになった*4と思って感謝すればよい。