清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

行動は 評価できるが 調べたの?

北海道のキリスト教系私立女子中学生27人が、安倍晋三内閣総理大臣宛に教育基本法改正反対の意見書を提出したそうだ。そのことの関連記事が、『週刊新潮』11月30日号に出ていた。タイトルは「「愛国心強制はイヤ」女子中学生27人が「首相に手紙」の仕掛け人」。

一読したが、ひどい記事だった。歴史も知らずにキリスト教の学校は偏向だと言ってみたり(内村鑑三教育勅語に拝礼を拒んで教壇を追われたことを想起(『(改訂版)新詳説日本史』参照。左記の本は古いので、市販の高等学校の日本史の参考書をご覧ください)。また、キリスト教は江戸時代から大東亜戦争終戦時まで迫害されていた(大東亜戦争中は神社参拝が強制されていた))、先生が共産党系の集会に参加していると言ってみたり(意見書とは関係ない)、改正教育基本法の評価すべきところも検討すべきといっておきながら、中学生が意見書を提出したことに対して肯定的に評価しなかったりと、無知、本題に関係ないこと、矛盾と何でもありで、お話にならない記事であった。

さて、この記事を散々けなしておいて、お前はどうなんだと思っている人のために、私見を披露しておこう。

1、まず、安倍晋三内閣総理大臣宛に教育基本法改正反対の意見書を出した行動力は評価していいだろう。普通はここまでしないものだ。もっとも、総理官邸などは迷惑だったかもしれないが、憲法第16条で請願権が保障されているので、文句は言えまい。

2、仮に担任の先生が絡んでいたとしても、そのことは否定的に評価しなくてもよい。担任の先生が熱心で感化されたかもしれないからである。なお、上記の週刊新潮の記事に、洗脳やマインドコントロールの決定的な証拠は発見できなかった(証拠を発見すればスクープ記事として優れているのに)。その代わりに先生に逆らったら生徒は内部進学ができない旨の記事が書かれていたが、退学したり別のところに進学したりすればいいのであって、決め手にはならない。

3、ただ、この中学生27名は現在の教育基本法改正、ならびに教育基本法改正案(読売新聞に載っていた。ネットでも検索できる)を読んだ上で批判しているのだろうか。前提知識もなく一読しても(私もいろいろな本を読んで納得したうえで議論を展開している)、現行法も改正案もどこが問題かわからないだろうからである。中学生27名には、真っ白な気持ちで現行教育基本法ならびに教育基本法改正案を読み、賛成ならびに反対の立場の本を読んで、より深い考察をしてほしいものだ。