清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

執筆者より 御用学者が 正しいか

読売新聞朝刊1面によると、文部科学省が、来春から使用される高校中学年向けの教科書の検定結果を公表したが、「日本史では、沖縄戦の集団自決に関する記述について、今回の検定から、日本軍の強制があったとする表現すべてに検定意見が付けられた」そうだ。

さらに読み進めてみると、「日本史で沖縄に言及したのは、日本史Aと日本史Bの教科書10点のうち8点。文科省はこのうち7点について、日本軍が住民の集団自決を強要あるいは命令したという内容の記述に、「沖縄戦の実態について誤解する恐れがある」との意見を付け、修正を求めた」そうだ。

このような意見が出る背景は、「最近の学説を反映した」(読売新聞朝刊3頁)り、「軍の守備隊長の命令があったと著作で指摘した作家の大江健三郎氏らに対し、当時の隊長らが「命令していない」として損害賠償を求める訴訟」が係争していたり(詳しくは(NIKKEI NET参照(http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070330AT1G3002K30032007.html))、
ということがあるのだろう。

しかし、教科書10点中8点が記述していることを、そう簡単に「最近の学説を反映」させて覆していいのだろうか。教科書執筆者が偏っていることは考えうるが、一般的には、8点が記述しているということは、歴史学の通説的見解の可能性が高いのではないだろうか。

また、いくら訴訟が係争中だからって、判決も出ていない段階で修正を求めるのは早すぎるのではないか(確定してから変えればよい。ところで、もし強制があったと裁判所が認定した場合、また修正しなければならないというのも2度手間。また、歴史学的方法論に基づいて検討した結果、裁判と逆の結論が出るということもありうる)。

ところで、私は、教科書検定は官僚が勝手にやると思っていたが、そうではなく、一応専門家の意見を聞くのですね(「文部科学省には、教科用図書検定調査審議会が置かれており、検定は審議会の答申に基づいて行われています。審議会の委員及び臨時委員は、大学教授や小・中・高等学校の教員等の中から選ばれています。」(以上、引用)「文部科学省の常勤職員であり、大学の教職の経歴等をもつ教科書調査官が審議会の審査に先立ち、検定申請のあった図書について、調査を行う。」(下記のホームページをもとに私がまとめた)文部科学省ホームページ 4 教科書検定の方法参照。http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/gaiyou/04060901/004.htm)。

だが、教科用図書検定調査審議会の委員や教科書調査官が正しくて、執筆者が正しくないと誰が決めたのだろうか。国家に都合の悪い説は正しくないということなのか。これでは国家による学問の統制ではないか。憲法第23条(「学問の自由は、これを保障する。」)が泣く。