清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

ニート支援 強化は結構な ことだけど

YOMIURI ONLINE(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070923i213.htm)
によると、
(引用開始)
政府は来年度から、(中略)「ニート」の若者を支援する「地域若者サポートステーション」を現在の50か所から100か所に倍増し、ニート支援を強化する。
(引用終了)
そうだ。

今後の進路に悩んでいる現在のニートの方には朗報だろう。しかし、以下の疑問もある。

第1に、なぜ、ニートの若者「だけ」なんだろう。35歳以上の人は進路に悩んでいないとでもいうのだろうか。年齢に関わらず使えるように検討すべきではないか。

第2に、いくら支援施設を増やしても、肝心の職員の質がダメならどうしようもないということである。ホームレスや生活保護関係の本を見ると(風間宏『ホームレス入門』(角川文庫)、湯浅誠『あなたにもできる!本当に困った人のための生活保護申請マニュアル 』(同文舘出版)参照)、とにかく行政の(就労)支援に携わる人の評判がよくないようだ。支援をするのであれば、支援対象者の人格を尊重するのがまず大事なことだ(上記2冊から読み取れることは、行政の支援者が支援対象者の人格を尊重していないのではないかということである)。その観点からすると、「積極的に関与する」ことが裏目に出かねず、「待ち」の姿勢こそが求められるかもしれない(高岡健芹沢俊介『引きこもり狩り―アイ・メンタルスクール寮生死亡事件/長田塾裁判 』(雲母(きらら)書房)参照)。

第3に、ニートになるということは、進学も就職も職業訓練も選択肢として合理的でないということも疑ってかかるべきではないか(もっとも、いつの時代でもそういう人はいるようだ。本田由紀内藤朝雄後藤和智ニートって言うな!』(光文社新書)参照)。アメリカとは違い、社会人の大学(院)入学が以後のキャリアにつながっているとは聞かないし、就職すれば他のことができなくなるような長時間労働を強いるところがあるとも聞くし、職業訓練がどれくらい求職者のニーズに合っているかもわからない。まずは、これらの選択肢を選ばないことが合理的であるとして政策の見直しをすべきだろう。