清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

そのまんま 東はわかって いなかった

東国原英夫・宮崎県知事(以前はお笑いタレント・そのまんま東さん)が、徴兵制なり、徴農制なりを導入すべきだという私見を披露している(右記の西日本新聞のサイト参照。http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20071130/20071130_001.shtml
ことを、TBSのサンデーモーニングで扱っていた。

サンデーモーニングのコメントは、結構ずれていた。どうしても憲法9条に絡めたいようだが、筋違いである。

この問題は、こう考えるべきだ。

1.まず、徴兵制だが、そもそも時代に合わない。以前より個人が尊重される世の中では、強制的に兵役につかせることは、時代遅れなので、世界では、徴兵制は廃止の傾向にあるようだ(なお、最近の戦争は、ハイテク機器が大事で、数が要らなくなるので、徴兵制の意味も薄れているということも聞いたことがある。個人的には鋭い見解だと思う)。

2.徴農制もできない。「犯罪に因る刑罰の場合を除いては、その意に反する苦役に」(憲法第18条)就かせることができないからである。災害時などの緊急時に労役に就かせることは違憲ではないというのが憲法学会の通説だが(芦部信喜憲法』(岩波書店)、佐藤幸治憲法』(青林書院)参照)、徴農制に緊急性はないので、やはりできない。なお、このことからすると、徴兵制の究極の根拠は、第9条第2項前段(戦力不所持条項)ということになるのだろうが、サンデーモーニングのコメンテーターが言うように、いきなり憲法第9条の問題になるわけではない。

3.現状認識も問題あり。

「社会のモラルハザード規範意識の欠落、希薄化」の証拠は?最近、『戦前の少年犯罪』(管賀江留都・著 築地書館)を読んだが、今の報道にあることは、戦前にもあるし、今よりひどいことが戦前では行なわれているようだ。また、知事が少年時代のときは、今より凶悪犯罪が多かったようだ。このことからすると、「社会のモラルハザード」などが起こっているというのは単純には言えないのではないか(むしろ、規範が「変わった」に過ぎないのではないか。それがいいかどうかはわからないが)。

「学校教育が補えない中で、心身を鍛錬する場が必要ではないかと言いたかった」というのは、体力についての調査から見れば当たっているが、究極的には、恐れずに子どもを外で遊ばせるしかないのではないか(それに加えて、テレワークの普及も必要か。もっとも、なんだかんだ言って、人のいるところで働きたい人が多いだろうな)。

「今後の担い手不足、社会構造の変化に付いていけないと危惧(きぐ)している」のは正当だが、最近はキャリア教育も充実しているようだから以前よりは何とかなりそうだし、それで何とかならないならば、担い手不足の職種が儲かるようにしたり(その業種の最低賃金をあげる。これができるかはわからないが)、国が職業訓練に予算を今以上に使うようにしたりしなければならないだろう。