清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

私がね 読んだ限りは 意外だな (2)

『私がね 読んだ限りは 意外だな(清高的芥川賞もついでに) 』(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/46459060.html
の続き。

第140回芥川賞の選考過程が、各種新聞から窺い知ることができる。とりわけ、MSN産経ニュース(3ページのトップは、http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090118/bks0901180858001-n1.htm
が詳しかったので、それをベースとして検討したい。

◆福愡笋ね 読んだ限りは 意外だな(清高的芥川賞もついでに)』の記事と同じ番号。以下同じ。今回の順番は、MSN産経ニュースの記事と同じ)の津村記久子さんの『ポトスライムの舟』の評価としては、「ポトスライムは何の変哲もない葉っぱ。それが舟となり、今の寄る辺ない日本の荒波に揺られているとのメタファー(隠喩(いんゆ))でもある」、「ドラマティックな事件や物語をあえて書かなかったのが大きな成長」(この部分のみ毎日.jp(http://mainichi.jp/enta/art/news/20090119dde018040039000c.html)
より引用)という宮本輝さんの評価(カギカッコ内は、特記しない場合は、宮本輝さんの評価)が印象に残った。そうか、そう読むのか。私は、正直言って、「ポトスライム」を知らなかった時点で評者失格のようだ。ただ、「ドラマティックな事件や物語をあえて書かなかった」ことは、読後感で賛否両論あると思うが(私は、それがないのを否定的に評価した)。

い遼話渉さんの『潰玉』について、「フェティシズム(性的倒錯)の世界への立ち入りを許す部分がなく、文学になっていない」との評価は、よくわからない評価だが、単に男がやられるだけでは苦しいと思った。

ァ併笋涼罎任楼貳屬良床繊砲竜噺鏡粁瓦気鵑痢愽埓気塀萢?戮砲弔い董◆屬茲ある小説に、ネット用語が物語として加味されただけ」というのは、わかる。ただ、ところどころに仕掛けがあり(愛知県が舞台で、同県出身の岡田由希子さんの自殺も絡めている)、いいと思ったのだが。もしかして、選考委員さんは、ネットがお嫌い?ただ、「イヌ」(イ虜酩覆ら)と「ill」(イ虜酩覆ら。ウィニーがモデル)は少々苦しいか。

山崎ナオコーラさんの『手』については、「前の候補作が良かったとの声が多かった」とのことだが、これは津村記久子さんの作品もそうなのではないか(『婚礼、葬礼、その他』)?ところで、前の作品のどれが、「これまでのある種の『毒』を持ったようなもの」だったのだろう。

Δ亮島田真希さんの『女の庭』については、前の芥川賞候補作品にも、外国と日本の対比の作品はあったはずだが(磯崎憲一郎 『眼と太陽』)、なぜか「受賞作に推してもいい」という高評価。ただ、「小説が途中から同じことの繰り返し」かはわからなかったが、「退屈になってくる」というのは私もそう感じた(だから、私の中では、最下位の評価だった)。

最後に、最後まで芥川賞を争った、‥鎮羶橘錣気鵑痢愎斥佑里い覆て鐱椒轡蝓璽此戮砲弔い討世、「まとまりを持たなかった」、「たくさんの仕掛けをしたにもかかわらず、文学としては玉砕した」(毎日.jpより引用)との評価のこと。でも、ライオンズの3連敗後4連勝を絡めた構成、豚を殺して野球への未練を断とうとするほど野球好き(日本人は多いはずだが)であったであろう(あくまで私の読み)「あの男」(作品から)、『ゴトーを待ちながら』(実は未読)をからめたことなど、受賞作より面白いと私は思ったが。

と、選考委員の意見にケチをつけてみたが、プロの評価と、読書も大してしない素人の評価の違いを楽しんでいただければ、幸いです(もちろん、プロの評価を尊重すればいいだろう。ただ、受賞作だけでなく、候補作も読んでほしい)。