清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

とんちんかんな ことを言うのが エラい人?

月刊バスケットボール」2009年5月号のp82,83に、『FIBA(国際バスケットボール連盟。清高注)会長(ボブ・エルフィンストン。清高注)&事務総長(パトリック・ボウマン。清高注)来日!』という記事があった。バスケファンにとっては注目すべき、日本のバスケットボール界の、トップリーグの分裂問題について書かれているので、以下、検討する。

まず、p82で、事務総長が、「企業でかなりの職歴をお持ちの方」と、日本バスケットボール協会(以下、協会)メンバーを持上げているが、そういう人たちの中にがプロ化を拒んだ人がいたことが今の分裂問題の土壌であることを知らないようだ(プロ化を拒んだ側を非難する趣旨ではない)。

また、事務総長は、bjリーグのローカルルール採用を取り上げているが、結局はFIBAのルールになるとして、bjリーグを非難している。しかし、bjリーグの企業努力(株式会社日本プロバスケットボールリーグが正式名称)を無下に非難するのはいかがなものか。今日本で一番放送されているバスケリーグはFIBAルールを採用していないNBAだし、FIBAの正式なルールで試合をやるのは、せいぜい部活やクラブの人ぐらいだろう。また、古いファンを呼び込むための(各クウォーターで4ファールを超えた場合の)1アンド1スローもそれなりに理由がある(昔はこのルールだった)。そして、そもそもFIBAのほうが(bjリーグでも一部採用されている)NBAルールに近づこうとしているのが現状ではないのか(NBAがFIBAルールに近づこうとしている例は、先述の1アンド1スローの廃止などがあるが、パーソナルファール時に14秒まではリセットしなかったり、ノーチャージエリアの新設だったりと、FIBAのNBA化が目立つのは気のせいか)。

bjリーグはJOCの認可を受けずにやっていますが、その結果ナショナルチームに選手を送り込むことができていない。(中略)ナショナルチームは誰のでもなく皆のためのものなので、そのすべての根底を今のbjリーグの存在は覆してしまうし、否定してしまうので、とにかくFIBAとしては好ましくないですね」だって?これはbjリーグじゃなくて、日本の協会やJOCの問題だろ!日本の協会が選べばいいだけの話である(選考対象にしないのが問題と言っているだけで、必ず選べとは言っていない)。

事務総長さんは、なぜ分裂したのかを全く理解していなかったようだ。分裂には理由があったこと(当時は原則としてチームに興行権がなかった、など)ぐらい勉強してからコメントしろよ!

次は会長のコメント(p83)。

「海外から指導者を呼び、様々なスタイルのバスケットを選手に指導すべき」→協会(代表監督)、bj(4人だが、1人は日本でプレーして引退直後)ともに努力はしているが、たしかに少ないな(JBLは1人(リンク栃木ブレックスの監督)だけで、努力不足か)。

「国際試合の頻度をもっと増やす」のは実は容易ではない。FIBAとしては自分たちが一番だと思っているようだが、選手にとってはお金がたくさんもらえるNBAに魅力を感じているようだからである(から、選手を集めるのが大変)。

「(中国、韓国、日本の)3カ国で協力し合い、お互いのレベルの向上を目的として交流試合などを頻繁に行う」との提言はよい。今では、レラカムイ北海道が参戦しているABAや、bj-KBLチャンピオンシップなどがあるが、将来的には、国内リーグと並行したアジアリーグ(ユーロリーグはこう理解している)も考えられよう。

国際試合を増やすのが無理ならば、「国内リーグに海外の優良な選手を連れてくるのも手段の一つ」だが、「登録選手の制限を作るべき」で、「優秀な国外選手を連れてくることが重要」とも提言している。おおむね賛成だが(「制限」については、サッカーやバレーボール、NBAとの兼ね合いから、外国人オン・ザ・コート2かつ登録無制限(ただしロースターは12名)とするしかないと思う)、アメリカ(それも、NBA)1番の競技でこれをやるのは容易ではないかも。なお、「試合の興行性をあげるためでは」ないという趣旨のことも言っているが、興行でお金を稼がないとチームが成り立たないのが普通なので、とんちんかんな発言である。

なお、これに関連して、p175に『FIBA要人来日で、JBL、bj問題がクローズアップ。新リーグ構想も検討』という記事があるので少々検討すると、「運営形式は基本的には問わず」、「大企業一社」でも「たくさんのスポンサー」でもよいとのこと。妥協のためには仕方がないが、ファン受け(p177『五十嵐圭 Real Voice』によると、「やっぱり栃木と北海道で試合をやる時は、すごく相手への声援や、こっちへのブーイングは聞こえますね」とのこと。愛知(三菱電機ダイヤモンドドルフィンズアイシンシーホース)や大阪(パナソニックトライアンズ)が取り上げられないことからすれば、「大企業1社」に限界があろう)、ならびに株主の立場(リンク栃木、北海道、三菱電機以外は、興行権がなく、リスクも取らないらしいので、バスケで稼ぐことが出来ないから、株主にとって得だとは思えない)を考慮すると、「たくさんのスポンサー」獲得の方向(bjリーグがやっているように)に舵を切るべきである。