清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

清高の 今年は4冊 2009

備忘も兼ねて、私が今年読んだ本のなかで、印象に残った本を挙げる。題して、「清高の 今年は4冊 2009」。

1.エドガー・H・シャイン『人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則 』(英治出版

支援する側、される側が、どのような行動を取ればうまくいくのかを書いた本。される側の心がけを書いたこと、する側の注意喚起に有用(報道に接する限りでは、不登校ニート支援の人は特に読むべきだと感じた)、という意味で、この本を挙げた。

2.原 彬久『戦後史の中の日本社会党―その理想主義とは何であったのか』(中公新書

日本社会党、ならびに現在の社会民主党がなぜダメかを書いた本。私自身は無党派のつもりであり、自由民主党と、左派政党を中心として政権交代があるのが理想だと思っているが、生まれてから一度も左派政党中心の政権が内容に感じた(社会党自由民主党新党さきがけの場合、総理大臣だけ社会党で、中心は自由民主党だと思った)。なぜだろう、と思っていたが、答えの一端が示されている。イデオロギーに凝り固まっている、議会軽視などを知れば、日本社会党が支持されなくても仕方ないと思った。ただ、日本の政治には、アメリカ、右翼、ヤクザも絡んでおり、自由民主党と結託しているとの説もあるが、その点があまり重要視されなかった(ように感じた)のが少々残念である。

3.ブライアン・カプラン『選挙の経済学 投票者はなぜ愚策を選ぶのか』(日経BP社)

大まかに書けば、「愚策を選ぶ」理由は、ゞ軌蕕施されていないから、賭けていないから、ということである。これらがあれば、著者が信奉するリバタリアン的な見解が妥当というのが論旨のようだ。個人的にはリバタリアンでないので反発もあるが、それなりの説得力のある本だった。ただ、経済学的に合理的な政策がすべていいとも思わないが(著者は最低賃金制はダメとしつこく書いているが、低所得者の人が生活保護の受給を申請するのは時間的に容易でないと思われるので、最低賃金制を設けて、その結果職が得られなかった人が、生活保護を受けつつ就職の準備をしたほうがいいのではないか、と私は考えている)。

4.スコット・ペイジ『「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき 』(日経BP社)

読みやすい類書もあるが(ジェームズ・スロウィッキー『「みんなの意見」は案外正しい』(角川文庫))、数式を用いて証明しようとする姿勢がいい。某私大法学部卒の私は数式が苦手だが、考えるうえでは好書である。また、多様性が絶対というわけではなく、例えば能力も考慮に入れるべきであることも書かれて、バランスもよい。裁判員制や試験などをどう考えるべきかに(も)有用である。