5月23日午後2時放送の、テレビ朝日「ザ・スクープスペシャル 検証!検察の“大罪”~権力エリートたちの暴走」を観た。あれ、bjリーグのファイナル4を観てたんじゃなかったの?という人はあろうが(「波乱がね まったく起らぬ ファイナル4」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/51994705.html)
参照)、録画すればみられるのは当然である。また、動画配信もしています(番組のサイトは、http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/
なお、一定期間が過ぎた場合は、バックナンバーをクリックすればいいはず)。
番組のサイトにようやく、動画はあるが、私なりに要約すると以下の通り。すなわち、松川事件や、佐賀市農協事件のような無罪確定事件、布川事件や名張毒ぶどう酒事件のような無罪未確定事件(布川事件はまもなく再審の判決)において、検察がどのようにして冤罪を生み出すのかに迫った番組。証拠不開示、改ざん、隠匿(洪水で流れた、といった幼稚な言い訳もある。保存しないほうが悪い)、恫喝など、有罪を得ると決めたらあらゆる手段を用いる検察。佐賀市農協事件の担当検事が、冤罪被害者の子に謝罪するシーンもある。
検察が証拠を改ざんしたりすることについては、小田中 聰樹『冤罪はこうして作られる』(講談社現代新書、1993)以来言われていることではあるが、それでも、捜査機関のあらゆるズルに迫った傑作と言えよう。私は、刑事弁護人で人の人生や命を弄んだ人を知らないが(被告人の利益を守るための、刑事弁護人本来の仕事のように感じた)、検事には多いようだ。検察は人生、命を何だと思ってるんだ!ただ、検察が「正義の番人」として君臨している一側面であることは否定できない。有罪と確信しなければ起訴しないことは、この番組のようにありとあらゆる手段を用いて有罪にするという方向になることもあれば、疑わしきは起訴しないということで市民にとって利益になっている場合もあるからである。それはそれとして、番組における指摘、警察採取の証拠へのアクセスを被疑者に保障すること(清高要約)と、取り調べの全面可視化は、絶対に行われれるべき改革のようだ。
このように書くと、「お前は左翼だ」とバカなことを感じる人もあろうが、そんなことを感じるより、まずは番組の問題意識を直視すべきだろう。