オリンピックがまもなく終わる。それに加えて自分の体調に興味があるので、スポーツ栄養学を学びたいと思い、とりあえず『ジムに通う人の栄養学』(岡村浩嗣、講談社ブルーバックス、2013)を読んだ。
栄養学についての詳細は読者諸賢の一読に委ねるとして、本エントリーで取り上げるのは、以下の引用である。
(引用開始)
日本体育協会を設立した嘉納治五郎は設立趣意書で、「国の盛衰は、国民の精神が充実しているか否かによる。国民の精神の充実度は国民の体力に大きく関係する。そして、国民の体力は国民一人ひとりおよび関係する機関・団体等が体育(スポーツ)に関して、その重要性をどのように認識しているかによる」と述べ、体育を振興するためにオリンピックへの参加を目指したという。
オーストラリアは現在スポーツ大国である。しかし、1976年のモントリオールオリンピックで獲得したメダルは金0、銀1、銅4だった。国民のスポーツに対する関心がうすれて、健康が損なわれるようなことになってはいけないと当時の政府は危惧した。そして、国際的な競技力を高めれば国民のスポーツに対する関心が高まるだろうと考え、オーストラリアスポーツ科学研究所が設立されたのだという。
両者に共通しているのは、スポーツ振興で国民が体を動かすようになることが健康増進に重要だという哲学である。オリンピックなどでメダルを獲得することを目的として設立されたわけではない。
(引用終了。『ジムに通う人の栄養学』p196、197)
もちろん、オリンピックにはいろいろな効用があろうが、世界中の人が何らかのスポーツや体を動かすことを楽しめることも大事だと悟った次第。
というわけで、選手のメダルの有無、色が何であれ、スポーツに興味を持てれば、読者にとってオリンピックが有意義なイベントとなったと判断してよい。
私は、当分の間ウィンタースポーツはやらないだろうから、夏のオリンピックがいいかな。しかし、競技と体を動かすのもちょっと違う気がするなぁ(走ることで言えば、普通の人はゆっくりがいいが、オリンピックの選手はそうはいかない、ということ)。