読売新聞オンライン(Yahoo!ニュースで配信された)「【独自】NHK、衛星・ラジオ削減の経営計画案…事業規模抑制へ」(2020年8月3日5時2分)
によると、「衛星放送とAMラジオ放送のチャンネル数を減らすなど、民間から批判の強い巨大な事業規模を抑制」し、かつ「この計画案とは別に、衛星放送と地上放送の2本立てとなっている現行の受信料を一本化し、より割安料金となる「総合受信料」の導入に向けて検討を始める」という。
それは、有料記事だが、日本経済新聞電子版「NHK、BS放送・ラジオを削減へ 次期経営計画案」(2020年8月3日12時34分)にも載っている。
以下においては、読売新聞2020年8月3日統合版1面を引用しつつ、自説を述べる。
4チャンネルある衛星放送のうち、ハイビジョン(2K)画質の「BS1」と「BSプレミアム」、高精密画質の「BS4K」の三つを段階的に一つにしていく方針を明記する。最先端技術を用いた「BS8K」についても別途、今後の利用価値を判断する。
(読売新聞2020年8月3日統合版1面)
これは以前見た記憶があり、そうなるだろうな、と思った。仮にBSのチャンネルを1つにするなら、国際報道と海外のエンターテインメント(現在の「プレミアムシアター」)あたりが中心になろうか。
また、AMのラジオ第1と第2、FM放送の3チャンネル体制を見直し、AMとFMの一つずつにする。
(読売新聞2020年8月3日統合版1面)
これは難しいなぁ。
受信料を考慮しないで以下書くが、NHKがお手本としているBBCラジオっていくつあると思っているんだろ?
BBC Sounds - Music. Radio. Podcasts と
英国放送協会のラジオ放送 - Wikipedia を見てほしい。厳密には確定しないが、2つということはない(ローカル放送はカウントしない)。それに比べて小規模にするのが正しいとしても、現在のNHKラジオ第1はニュース中心(各地域ごとの番組もある)、第2は語学や教育番組、FMはクラシックをはじめとした音楽、と、減らせるチャンネルはないはずである。
一方、こうした業務の効率化を進めたうえで、受信契約の見直しにも着手する。現在、主な受信契約は、地上契約(略)と衛星契約(略)の2種類があり、衛星契約 では地上放送も見られる仕組みだ。ただ、受信料の不払い世帯が多くあり、衛星契約にも割高感が指摘され、すっきりした受信料体系が求められている。
(読売新聞2020年8月3日統合版1面)
筆者は、松田浩さんが著作者である、岩波新書『NHK』を、旧版、新版、共に読んでいる。そして、どちらもアマゾンでレビューしている。旧版のレビューは
新版のレビューは
をご一読。それらを読んで考えたが、NHKの場合、地上契約と衛星契約で料金が異なるというのは、公共放送のあり方からすればあり得ないことである。誰でも観られるのが大事である建前だからである(主に新版を読んで考えた)。となると、受信料体系の見直しは大事である。ただ、BS・110度CS のアンテナをつけられない人に対する配慮は必要だと思うが(もっとも、放送とインターネットの同時配信ができる時代だからそれほどでもないのかもしれない)。
以上、報道の範囲でNHKの次期経営計画案を見たが、BSチャンネルと受信料体系の見直しは検討に値するが、ラジオ局の削減には反対である。