まずはNHE NEWS WEB「池江選手に五輪辞退求める声「ことばの暴力 許されず」五輪相」（2021年5月11日13時58分。以下①）のリンクを貼る。
①によると、
丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣は、記者会見で競泳の池江璃花子選手にSNSを通じて東京大会の出場辞退などを求めるコメントが寄せられたことについて「ことばの暴力であり、いかなる理由があっても許されない」と批判しました。
（略）
また、競泳の池江璃花子選手に対しSNSを通じて出場辞退などを求めるコメントが寄せられたことについて、丸川大臣は「非常に残念だ。匿名で個人に対してことばの暴力をぶつけるのは、いかなる理由があっても許されないことだ」と批判しました。
という。
SNSと言えば、筆者が思い浮かぶものとして、Facebook、Twitter、Instagramであるが、筆者がざっと調べた限りでは、Twitterのみが該当するので、たしかにTwitterには辞退を求めるコメントがある（2021年5月11日時点）。そして、たしかに匿名アカウントからの発信がある（勝手ながら読者の調査を乞う。筆者がリンクを貼って迷惑をかけたくないので）。
しかし、丸川珠代・オリンピックパラリンピック担当大臣の言うように「『匿名で個人に対してことばの暴力をぶつけるのは、いかなる理由があっても許されないことだ』」と言っていいかは躊躇する。
まず、内容が問題なのであって、実名か否かの問題ではない。なお、実際の特定は容易ではないらしいが、インターネット上の書き込みは、書いた人を特定できるようで、匿名掲示板における書き込みで威力業務妨害で逮捕された人がいる。
次に「ことばの暴力」であるが、自由主義国の日本で単なる否定的評価をしてはいけない理由がないからである。もちろん、例えば「オリンピックに出るんだったら、殺す！」というたぐいは脅迫罪(刑法第222条)の可能性があって、それこそ「ことばの暴力」でダメに決まっているが。
最後に「いかなる理由があっても許されない」も怪しい。例えば、身体を慮って「オリンピックに出ないでゆっくり静養してください」もダメなのか？余計なお世話ではあるが、これ自体が悪いというのも極端だ。
つまり、丸川珠代さんのコメント、完全に間違っている。池江さんのことはどうでもよく、批判(否定的評価)は許さん！ということで口走ってしまったようだ。
それでは筆者は池江さんのオリンピック出場についてどう思っているかって？もちろん、開催されるのであれば自分の力を発揮してください、と書くだろうね。ただだからと言ってそれ以外の、それも問題なさそうなコメントを封殺（Twitterで言えば「通報」）しようとも思っていないが。もちろん内容いかんで否定的評価をするし、それは自由である。
