東京オリンピック2021が開幕した。
開会式でMISIAさんが「君が代」を歌ったのは皆さんご存じだろう(後述の記事の写真に載っている)。そのことについて(ただし、MISIAさんは関係ないことをあらかじめお断りしておく)WoW!Koreaが記事にしているので紹介する。題して「東京オリンピックで『君が代』が流れ…『一緒に歌うおばあちゃん、鳥肌』=韓国報道」(2021年7月24日8時22分)。
最近の日本では「鳥肌」をいい意味で使うことがあるが、記事のそれは本来の意味である。以下、引用してみよう。
同時刻*1
、ツイッターでは「今、東京オリンピックの開会式を見ているが、ある曲が出てきておばあちゃんが聞くなり後について歌い出し、どうしたのと聞いたら『君が代を歌わなかったら殴られた』『だから知っている』と…本当に鳥肌が立つ」というツイートがアップされて目を引いた。
実際に、日本植民地時代に強制動員された勤労挺身隊のおばあちゃんたちと遺族が、三菱重工業を相手にした損害賠償請求訴訟の裁判記録には、1930年代後半、国民学校では君が代を教え韓国語を使うと罰を受けたという内容があったと伝えられた。
三菱重工業が被告の事件は調べていないので保留するが、この記事に書かれているツイート(ただし存在未確認)のようなことがあっても不思議ではないし、日本人であれば申し訳ない気持ちにならないとダメだろう。
「『君が代を歌わなかったら殴られた』」とのことだが、関東大震災時においては、「君が代」が歌えるかどうかが命のかかわる問題だったのである。以下、『関東大震災朝鮮人虐殺の記録 東京地区別1100の証言』(西崎雅夫、現代書館、2016)から引用してみよう。
(浅草。筆者補足)公園には、日本刀を持った人達が警戒に当った。 時々皆の真ん中で「君が代」を歌う声が聞こえてくる。朝鮮人かどうかを見分けるのだそうだ。真夜中、なんともいわれない深刻な命がけの「君が代」であった*2
よそ者を見つけては近所の若者が朝鮮人かどうか調べていました。君が代を歌えと言われて、東北から来た人は訛ってうまく歌えず、朝鮮人と間違えられたとも聞きました*3
前方に停められている人たちには、「君が代を唄って見ろ」と怒鳴っている。唄の発音がおかしければ逮捕されるのだろう。私たちの言葉と顔つきが朝鮮人ではないと認められて通行を許された*4
朝鮮半島の人(ルーツ含め)が「君が代」を聞くと鳥肌が立つのは当然だということを、日本人は理解すべきであろう。また、「君が代」に反対する人にも理由があることも。もっとも、だからと言ってすぐに国歌を変えるべきかは別の話だが。