今日取り上げるのは、立憲民主党の参議院議員の打越さく良さんである。筆者が打越さんを知っているのは、『レンアイ、基本のキ――好きになったらなんでもOK?』(岩波ジュニア新書、2015)を読んだからである。筆者は男性なので身につまされるところもあるが、いい本なので、現在の議員活動が気に入らなくても一読を勧める。なお、打越さんは、議員になる前は弁護士であった。
その打越さん、2022年10月19日に行われた、第210回国会(臨時会)の参議院予算委員会では、いい意味でも悪い意味でも活躍した。以下、検討する。
2022年10月19日に行われた参議院予算委員会の打越さんの質問は、「参議院インターネット審議中継」の、2022年10月19日のところをクリックし、「予算委員会」をクリックすると出てくる。
午前中の打越さんはなかなかいい質問をしていた。まず、2時間40分30秒あたりからで、京都府宇治市のウトロ地区で起こった放火事件を取り上げ、それに敷衍して、差別的なインターネット上の書き込みや、朝鮮学校に対する嫌がらせの件を取り上げていた。なお、「朝鮮学校への嫌がらせ 理由もないし悪いこと」
kiyotaka-since1974.hatenablog.com
で書いた、籏智広太(はたちこうた)さんが執筆した、バズフィードジャパンの記事は真実である。本エントリーアップ後に追記する予定である。
悪かったのは、3時間32分38秒あたりから。山際大志郎・経済再生担当大臣に、世界平和統一家庭連合の信者であるかを尋ねたことである。
筆者のブログを読んだ人は、おそらく、筆者が自由民主党に批判的で、野党に好意的だと思っているのだろう。そんなバイアスが筆者の目を曇らせたかもしれない。
各種報道で問題視されているが、それを見た時は、問題ないと思った。
しかし、筆者の手元にある、芦部信喜『憲法[新版補訂版]』(岩波書店、1999)p.143によると、
国は、個人に対し信仰の告白を強制したり(中略)宗教と無関係な行政上・司法上の要請によっても、いずれの宗教団体に属するかなど、個人に信仰の証明を要求してはならない
となっている。
この趣旨からすると、打越さんの質問は問題があるとせざるを得ない。
いい質問もあったのに残念である。また、悪い質問があったとしても、いい質問の部分は正当に評価すべきである。