教育再生会議がいじめ問題への緊急提言を出した（「いじめ緊急提言全文」は右記の中国新聞のサイトで。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200611290233.html）。
おおむね妥当だと思うが、以下の点は指摘しておきたい。
まず、（１）で、「いじめを見て見ぬふりをする者も加害者」と言っているが、これは子どもに酷だ。たしかに学校内のいじめについて教職員は止めなければらないだろう。しかし、一般論としては、大人でさえ騒動があったときに無関心を装い通り過ぎるものだ。まずは、大人が騒動があった場合に目を配ることが必要だろう。
次に、（２）において、「社会奉仕、個別指導、別教室での教育など、規律を確保するため校内で全教員が一致した対応をとる」と書かれているが、小学生の社会奉仕ってなんだろう。まぁ、個別指導や別教室での教育は悪くない。
第３に、（４）で「教育委員会は、いじめにかかわったり、いじめを放置・助長した教員に、懲戒処分を適用する」とするが、酷な適用にならないように注意しなければならないだろう。かかわったり助長したら懲戒でもいいが、放置は結構慎重な適用が必要になろう。
第４に、被害者へのノウハウの伝授、加害者本人への責任の明示がないのが残念。被害者の親や担任がもし親身にならなかった場合にどうするかがわからないと不十分だし（たとえば、警察など第三者機関に相談する）、また、いじめで一番悪いのは加害者なので、親への呼びかけより、むしろ加害者本人に「いじめは犯罪or不法行為であり、場合によってはあなたの人生が終わってしまう」と伝えるほうがいいと思うからである。
