清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

この理由で 許可取り消しは おかしいよ

今日の読売新聞朝刊社会面34ページ(仙台では。なお、仙台の出来事なので、地域感想戦に納めた)によると、在日朝鮮人らの芸術団体「金剛山歌劇団」が9月に仙台市民会館で予定していた公演について、仙台市は、「右翼団体などの妨害行為が予想され、安全が確保できない」として、会場の使用許可を取り消したという。

同紙によると、「昨年9月の仙台公演では、会場の県民会館周辺で街宣車による妨害行為があ」ったという。その通りである。私は、去年の公演のときに、県民会館周辺にいたが、右翼の街宣車が本当にうるさく、辟易させられた。こうした事実があるので、「明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見され」るといえるかもしれないので(最高裁平成7年3月7日第3小法廷判決 最高裁判所民事判例集49巻3号687頁)、使用許可の取り消しはありうると思う(もっとも、この記事では根拠条文がわからないので、最高裁平成7年判決と同じに解しうるかは断言できない)。

しかし、この理由で使用許可を取り消すのはおかしいのではないか。というのは、昨年9月の公演で問題があったのは、むしろ右翼だからである(もう少し静かにしてくれないか)。たしかに、朝鮮総連のように、警察の捜査を妨害する団体もある(TVで見た)。しかし金剛山歌劇団が暴力行為に及ぶかどうかはわからない(聞いたことはない)。なぜこのようなことを書くかというと、前述の最高裁判例の原告は、「違法な実力行使を繰り返し、対立する他のグループと暴力による抗争を続けてきた」団体だから、「明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見され」ると認定されたのであって、ここが本件と違うと思うからである。

宮城県仙台市も、肝心なこと(右翼の街宣車の音量の取締り)はしないで、その不利益を(私の知る限り)違法な会場使用をしていない団体に押し付けるべきではない。もし使用許可を取り消すのであれば、その団体が違法に会場を使用する「明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見され」ることを説明しなければならないだろう。