清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

最近の 讀賣の記事 気になるな

「最近」と書いたが、昨日と今日の讀賣新聞に書かれていることについて、気になることがある(1と2は1月11日朝刊、3と4は1月12日の朝刊から(仙台では))。

1.YIES特別フォーラム「企業の品格を問う」というのがあるらしい。内容を詳しく読むと、
(引用開始)
ライブドア事件などに代表される利益至上主義の暴走や、老舗にまで及んだ食品偽装で、企業のあり方が社会問題になっています。企業に求められる品格は何か、稲盛和夫京セラ名誉会長(中略)に議論していただきます。
(引用終了)

問題意識については問わないが、稲盛さんに品格を語ってもらいたくない。稲盛さんは新興宗教まがいのことをしてマインド・コントロールしていると疑われている経営者だからである(斎藤貴男カルト資本主義』(文藝春秋)参照)。利益至上主義(一理ある)や、食品偽装(同情の余地があるものもある)より問題ではないのか。

2.東海大学出版会の『望星』2月号の特集は、「テレビよ、さらば」。詳しく見ると、
(引用開始)
お笑い芸人ばかりを集め、スタジオ撮りの安直安価な番組ばかりタレ流している最近のテレビ、メディア本来の姿への再生を考える。
(引用終了)

(1)私も、この文章が想定している番組は面白くないだろうと思う(見ていないが、流行っている若手のお笑いよりベテランの方が面白いのが普通)。しかし、番組を見て笑う人もいるからいいじゃないか。

(2)「メディア本来の姿」とは何か。たとえばニュースならば、お笑い番組より問題ではないのか。テレビの(新聞も)ニュースがウソ、偏見、無視が多いことぐらい、ちょっと見れば明らかだろう。ドラマなら、暴力シーンはどうなのだろう(暴力的になるのか、発散になるのか)「お笑い芸人ばかりを集め、スタジオ撮りの安直安価な番組」ばかりが問題なのかは考える必要があろう(読んでないのでわからないが、実際はもっと良質な論文なのだろう)。

3.「気流」の74歳・男性の投書によると、「日本のトップエリートが欧米より教養が劣っているのは読書・活字文化の衰退が原因で」(藤原正彦説)、一方、「旧世代の人たちは子供のころからよく本を読んでおり、それが教養を高める基礎になって」いるという。意味不明。「日本のトップエリートが欧米より教養が劣っている」とはどういうこと(汚職が多い?その他)?本を読むことと教養の因果関係は(衒学的で嫌味な人を教養があるとはいわないだろう。ただ、私個人としては、岩波文庫をはじめとした古典を読むことは奨励したい。人間は昔から同じことを考えていると思うから)?

4.懸賞論文「社会の安全とそれぞれの役割」の優秀賞の論文(19歳の大学生のもの)の要約を読んだ。

(1)大阪府は犯罪率は多いそうだが、「生活していて大阪が危険な都市だと実感したことは一度もない」という。たぶん実感が正しいのだろう(統計上は犯罪は増えていないから(2007年は刑法犯は200万件を下回り、殺人や強盗などの重要犯罪も1,724件減少。讀賣新聞2007年1月10日朝刊(仙台では)参照)。大阪はよく知らないが)。

(2)防犯カメラ批判はうなずけるものがある(私はそこ(自らを守るという気概)までは考えたことがなかった)。

(3)「割れ窓理論」を賞賛していたが、これが正しいかは疑問の余地があろう(レヴィット=ダブナー『ヤバイ経済学』(東洋経済新報社)では、警察官の増加が大きいそうだし、それとは別に、小さな犯罪に資源を投入する不都合もある(大きい犯罪の人材不足、予算を使うことによる国の財政圧迫など))。

(4)「人による相互監視」?監視も面倒くさいし、監視されるのもイヤだな。

(5)「過去の日本は、現在よりもはるかに治安が良く安全な社会であった」って、いつのこと?本文のように1930年代ならば、今より犯罪に寛容だった可能性がある(管賀江留都『戦前の少年犯罪』(築地書館)参照)。

(6)私が読んだ限りでは、まだまだ研究の余地がありそうである。この程度でも優秀賞なのだな、と思った。もっとも、書くこと、調べることは大変であり、その限りでは敬意を表したい。