時事ドットコム「「生活保護不支給は違法」=ホームレス男性が提訴-東京地裁」(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008070700262&j1)
によると、「所持金が数百円しかなく、住む場所もないのに生活保護を支給しないのは違法だとして、東京都内でホームレス生活を送っている」人「が7日、新宿区を相手取り、申請を却下した処分の取り消しと、月約13万円の支払いを求める訴えを東京地裁に起こした」という。
続けて読むと、「原告側は「住所や連絡先もない状態では就労の道が事実上閉ざされており、却下は実情を無視している」と主張。ボランティアの炊き出しに頼る困窮した生活は、受給要件を満たすとしている」という。
まず、私は、受給要件はよく知らない(「厚生労働大臣の定める基準」がわからないので。生活保護法第8条第1項参照)。
しかし、「住所や連絡先もない状態では就労の道が事実上閉ざされており」というのは間違っていないだろう(働いているホームレスの人もいるが、収入は厳しいらしい。『ルポ最底辺―不安定就労と野宿』(生田武志 ちくま新書)参照)。ある程度の収入を得ようと思えば、住所、連絡先、お金が欠かせないからである。新宿区の職員は、挫折知らずなのか、世間知らずなのか、苦労知らずなのかわからないが、「仕事は十分確保できる」と判断したのだからおめでたい。
不正受給は警戒しなければならない。社会保障費の支出を減らさなければならない。しかし、だからと言って、必要な人に受給しないことを正当化することはできない。
ゆえに、この訴えは支持するが、たぶん負けるんだろうな(基準が合理的などとして)。