清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

イランから 芥川賞 いただくか(清高的 芥川賞 143))

1.例年1月と7月の声を聞くと、芥川賞直木賞の候補作が発表される。2010年7月もそうである(7月15日の発表までは、候補作がのっている)。

文藝春秋|各賞紹介|芥川賞
http://www.bunshun.co.jp/award/akutagawa/index.htm

文藝春秋|各賞紹介|直木賞
http://www.bunshun.co.jp/award/naoki/index.htm

直木賞は単行本で、読むのが容易でなさそうだ、というわけではないが、文豪としてのインパクトが芥川(敬称略)が上というとってつけたような理由で(?)、今回も、当ブログでは、芥川賞候補作品(第143回。回数は直木賞も同じ)全6作を読み、その中から一番いいと清高が判断した作品を「清高的 芥川賞」として、ひっそりと(賞金なし。実際の芥川賞は賞金が出る)祝してみたい。

2.今回の候補作はこちら(構成上、丸付きの番号を付する。なお、出版社省略)

\崟?住辧覆△ぞめ あきこ) 「乙女の密告」(『新潮』6月号)
⊆島田真希(かしまだ まき) 「その暁のぬるさ」(『すばる』4月号)
柴崎友香(しばさき ともか) 「ハルツームにわたしはいない」(『新潮』6月号)
ぅ轡螢鵝Ε優競泪侫(しりん ねざまふぃ) 「拍動」(『文學界』6月号)
ス小路尚祈(ひろこうじ なおき) 「うちに帰ろう」(『文學界』4月号)
κ翕沈醉了魁覆曚燭わ ようさん) 「自由高さH」(『文學界』6月号)

読了順は(並行して読んだ作品はない)、ア、Α憤幣紂7月10日)→あ→◆憤幣紂7月11日)である。理由は、7月10日に読んだ作品は、すべて初めて候補作になった作者であり、7月11日に読んだ作品は、すべて芥川賞候補になったことのある作者の作品だからである(い1回、、△錬臆鵝法7亳海里△觝郤圓虜酩覆鯑匹鵑如過度に初候補作に厳しくならないように配慮したつもりである。

3.以下では、つまらなかった順に取り上げ(つまり、一番最後に取り上げたのが「清高的芥川賞」)、短評を付してみたい。

第6位は、ΑB衞召呂个様儻譴世、専門用語続出で難しい上に、インパクトがなかった。こちらの責任もあるが、テーマを捉えられなかった(親子関係なのかな?)。

第5位は、◆5甸囘には(受賞経歴、その他)今回の大本命。失恋した女性の心情や、恋愛における無関心の残酷さを書いた作品だとは思うが、これもインパクトというか、盛り上がりがないな、と思った。ここまで来ると、好みの問題なのだろうが。

第4位は、。題名の「ハルツーム」は、スーダン共和国の首都。i-Phoneといった最新機器が登場し、主人公が「『全然関係ないのに混ざっちゃ』」(『新潮』2010年6月号p73上段)うほどのゆるい関係が多いと思われる昨今、「私はこことそこに同時にいることはできないし、どこにもいないこともできない」(同p79下段)、「誰かが目撃しなかったり気づかなかったりしたら、過去のそのできごとは存在しないのと同じなのか、それとも、誰も知らなくてもやっぱり存在したこと自体は消えないのか、という話がしたかった」(同p80下段)など、ところどころにメッセージがちりばめられている作品。

第3位は、 I饌罎狼?圓粒姐餮貘膤悗如▲好圈璽船灰鵐謄好箸領?に熱心な上級生、麗子様が、指導教官で、アンゲリカ人形を手放さないバッハマン教授と噂になる。麗子様を尊敬している主人公のみか子は真実を見ようとするが、それがためにみか子も噂になる。なお、「乙女」は、真実を見ようとせず、噂好きとされている。ところで、スピーチコンテスト、暗唱の部(もう一つは弁論の部)のテキストは、『アンネの日記』(日本語名)。『アンネの日記』と、スピーチコンテストに向かう過程の絡みが、なかなか面白い作品。

第2位は、ァ専業主夫・門倉英樹は、いわゆる公園デビューをするが、主婦同様、外で仕事をしない人らしい(働いている妻の愚痴を聞かなければならない一方で、夫の愚痴は我慢させられる。世の専業主婦家庭の人は特に思いあたりがあろう)苦しみを味わう。その中で、専業主婦の1人、美和さんの相談に乗るようになる英樹、心中を勧め、高級ディナーで最後の晩餐をするが…今どきの家族形態の多様さ、専業主婦・夫の苦労が書かれたいい作品である。

第1位は、ぁアラビア人のアラン先生は原付自転車に乗って、トレーラーと接触する事故に遭うが、主人公のアラビア人女性(『文學界』2010年6月号p107下段「『女性?通訳ですか?』」より判断)は、山本先生に頼まれ、通訳をすることになる。山本先生らしい配慮、ならびに診断結果(脳死など)から、アラビア人家族を諦めさせないような通訳を心がけるが、その成果、アラビア人家族から、「差別だ」などと罵られることになる。差別の問題や、異文化間のギャップを考えさせられる作品で、今回の候補作の中では一番よかった。ただ、私は、展開を重視して読んでいるが、審査員は言葉も重視しているので、この作品が実際に受賞するかはわからないが、私ならこの作品を推す。

*参考までに、清高のニュース感想戦+雑文において、芥川賞を内容検索した結果は、こちら。

http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/MYBLOG/yblog.html?m=lc&sv=%B3%A9%C0%EE%BE%DE&sk=1

**2010年7月15日追記(タイトル改題)

第143回芥川賞は、,虜酩覆砲覆蠅泙靴拭MSN産経ニュース芥川賞は赤染さん、直木賞に中島さん 女性2人、初候補で栄誉 (1/2ページ)」(2010.7.15 19:32。http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100715/bks1007151933001-n1.htm
)。赤染さん、おめでとうございます。『アンネの日記』は文春文庫だというのは全然影響がないだろう。それはさておき、『アンネの日記』、昔読んだけど、忘れてしまいましたね。,睫滅鬚ったが、い筬イ箸匹μ整鼎分かれたのか?講評が出たら別途書くかも。初候補の受賞だから、図抜けていたと判断されたと予想する。

***2010年7月16日修正(一部内容と番号を修正)