清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

講評に 異議があるので ツッコムよ(清高的 芥川賞 143-2)

第143回(2010年上半期)芥川賞は、赤染晶子さんの「乙女の密告」に決まった。

「イランから 芥川賞 いただくか(清高的 芥川賞 143))」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/50860964.html
において、「講評が出たら別途書くかも」と書いたが、講評が興味深かったので、講評について書いて見る。なお、講評は、MSN産経ニュース「【芥川・直木賞】選評 「一番肝心な過程が書けていなかった」芥川賞候補のイラン女性 (1/3ページ)」(2ページ以降は1ページから。2010.7.15 21:41。http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/100715/acd1007152144007-n1.htm
を用いた。

なお、「イランから 芥川賞 いただくか(清高的 芥川賞 143))」と共通の番号を用いるが、候補作品は以下の通り。

\崟?住辧覆△ぞめ あきこ) 「乙女の密告」(『新潮』6月号)
⊆島田真希(かしまだ まき) 「その暁のぬるさ」(『すばる』4月号)
柴崎友香(しばさき ともか) 「ハルツームにわたしはいない」(『新潮』6月号)
ぅ轡螢鵝Ε優競泪侫(しりん ねざまふぃ) 「拍動」(『文學界』6月号)
ス小路尚祈(ひろこうじ なおき) 「うちに帰ろう」(『文學界』4月号)
κ翕沈醉了魁覆曚燭わ ようさん) 「自由高さH」(『文學界』6月号)

まず、赤染さんの作品は、私の印象でも面白い作品だったので、受賞に不満はない。断り書きを入れておいて、以下においては、上記MSN産経ニュースの記事を引用しながら展開する。

芥川賞は、選考委員を代表し、小川洋子氏が講評した。(かなり強引な中略)最後まで、鹿島田真希さんと赤染さんの2作が残った」とある。「イランから 芥川賞 いただくか(清高的 芥川賞 143))」でも書いたが、実績面で言えば、鹿島田さんは大本命。ただ、以前も候補作を拝読したが、正直言って私の好みではない、と言うことである(「私がね 読んだ限りは 意外だな (2)」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/46517032.html
参照 )。

「『乙女の密告』は、『アンネ・フランクを密告したのは誰か』という、歴史的にも大きな問題」について。『アンネの日記』(文春文庫)は読んだが、そんなに「大きな問題」だったのか。勉強し直しだな。

「最も(評価が)低かったのは、柴崎(友香)さんの作品」は、実績面から意外(柴崎さんも3回目の候補作)。私の中では、最下位は、『自由高さH』か、鹿島田さんだったが。ただ、「ハルツーム」は少々唐突だったかな。なお、『自由高さH』については、MSN産経ニュースの記事を御覧ください。

「『うちに帰ろう』は、推された選考委員もいたが、結局主人公を受け入れられるかどうかが問題だったと思う。最後、心中という思いがけない展開となり、とんでもないところに連れて行く小説かと思えば、そうじゃなかったとマイナスにとらえた方もいた。草食系男子の育児日記の域を出ていない、という意見もあった」とある。これを見て、本エントリーを書こうと思った。「最後、心中という思いがけない展開となり、とんでもないところに連れて行く小説かと思えば、そうじゃなかったとマイナスにとらえた方もいた」だって?私に言わせると読めてないなぁ。心中したら話にならないじゃん。心中しないことによって、男としての自尊心を発見する、という話じゃなかったの?「草食系男子の育児日記の域を出ていない」って、誰がしたのか知らないが、こんな評価しか出来ない物書きは、社会を見る目がないのだから、書いたものはつまらないだろうな。専業主夫注目されてるじゃん、最近。「草食系男子」を安易に使うのも、言葉に対するセンスゼロ。人間は、草食の比率が高い雑食動物なのだ。肉食であれば、そちらを問題とすべきだろう。

MSN産経ニュースの題名にもあり、注目度が高かった、シリン・ネザマフィさんの『拍動』。個人的には面白かったが、こんな評価をするものだ、となるほどと思った。ただ、「主人公の通訳をした彼女の(出身)国が出てこない」というのは、とんちんかんな批判だろう。アラビア語を母国とする国、いくらあると思ってるの?『新詳高等地図』(帝国書院)2008年発行版の「世界の国別統計」(p133~)によると、アラビア語を「主な言語」とするのは、19国ある。どれか選択すると、その国のイメージまで背負ってしまうので、難しいだろう。もっとも、それなら、アラビア語ではなく、別な言語にすればよかったのかもしれないが。

読者の皆様も、選考委員が素晴らしい作家であるから正しいと鵜呑みにしないで、本エントリーで上げた雑誌を読まれたらいかがか。なお、赤染さんの作品は、文藝春秋(たぶん9月号)に載るので、興味のある方は買ってください。