清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

嫌韓流 よりも日垣の エッセイだ

週刊現代』2011年9月24日、10月1日合併号p150、日垣隆「なんなんだこの空気は メディア考現学 フジテレビを囲んだデモに見る『達成感』考」(以下、「なんなんだこの空気は」)が面白かった。以下、検討する。なお、以下のカギカッコ内は「なんなんだこの空気は」からの引用とする。
 
まず、日垣さんが「『エア取材』」(p150)をしたかどうかは、不問とする。
 
「フジテレビだけが攻撃される謂れはなく、そのスポンサーに対して不買運動がおこるのも理不尽だ」(p151)は正論。ただし、後付けの印象はあるが、「韓国ドラマ」(p150)だけが原因ではないらしい。なお、「韓国ドラマ」(p150)をもっと見たければ、BS契約をすべし。フジテレビ「韓流α」などちっちゃいちっちゃい、BS日テレやBS11に比べたら(『NHKウィークリーステラ』(NHKサービスセンター)2011年9月16日号p52参照)。
 
「他方、フジテレビを囲んだ『毎日ネットを3~12時間もやっています』という人々も、不況の犠牲者である率は、かなり高い」(p151)は、失業を意味するのか、受信料が払えないことを意味するのか(生活保護受給者は免除されるが)、「広告減と視聴者離れ」(p151。「広告減」→番組の質劣化→「視聴者離れ」)なのか、よくわからない。
 
「(『ネットでこれだけ騒ぎになっているのに、マスコミが取り上げないのは偏向報道だ』)」(p151)は噴飯物で(何を取り上げるかはマスコミが決め、良ければそのマスコミは繁盛し、悪ければ潰れる)、「長くネットを見ていると、それを全世界と錯覚してしまう」(p151)と言われても仕方がない。
 
アメリカべったりに偏った報道」(p151)などの「偏向報道」(p151)はもちろんあるが、「今回に限って言えば、フジテレビはもとより、外交問題に発展しかねない―けれどもまだ小さな芽であるこの話題をあえて取り上げることなど、期待するほうがおかしい」(p151)は、いいのだが、微妙だと思った。私は、取り上げると「外交問題に発展しかねない」(p151)と思うが(差別に加担するから)、日垣さんの説のウェイトは、「まだ小さな芽」(p151)に置かれれているのだろう。
 
「せめて韓国語を習ってソウルでデモるくらいの力をつけたらいかがか」(p151)も正論。そうすれば、韓国人ももっと真剣に考えるだろう。韓流コンテンツは国策なので。いいコンテンツなので、日本のメディアは買い、視聴者も喜んでいる、ということである。
 
というわけで、嫌韓流vs日垣隆さん、私のジャッジでは日垣さんの大勝だった。
 
*タイトル、文中一部敬称略