どこに入れるかを決める参考に、インターネットのボートマッチサイトにアクセスしたところ、毎日ボートマッチ「えらぼーと」(http://mainichi.jp/votematch/46shu/index.php ) の中に、以下の質問があった。すなわち、「政府は女性の皇族が結婚した後も皇族の身分を維持する「女性宮家」の創設を検討しています。あなたは賛成ですか、反対ですか。」という質問である。
天皇制廃止の考えを持っている人は、どう投票すればいいのだろう? 仮に女性宮家反対に投票すると(天皇制廃止だから、女性宮家は存在しなくていいから)、右派のイメージと一致する。すなわち、より右派の人と、極左(民族主義的であれば天皇制存続というイメージで書いている)の人の意見が一致するイメージがある。皮肉なものだ。
それはさておき、以前、当ブログでは、「このくらいの 覚悟を持って 批判せよ」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/53525347.html ) において、『週刊金曜日』誌上で、角岡伸彦さんが、橋下徹・大阪市長の血脈主義という主張に対し、「『しかし私は橋下氏に問いたい。では、日本で最も血脈主義が貫徹されている天皇制はどうなんですか?と』」問いかけた内容を紹介した。
いわゆる橋下市長 vs 週刊朝日の件においては、大して検討もせずに橋下市長を支持する見解が優勢な印象があったが、橋下市長の主張を認めるならば、天皇制廃止は検討課題だろう(私はそこまでは主張しないが)。
天皇制廃止を前提として私が勝手に統治機構を制度設計すると、おそらく大統領制になろう。王室や皇室のないところが大統領制を選択しているイメージがあるので(王室や皇室があれば大統領制を選択していないイメージがあるので)。
しかし、以前、『民主主義対民主主義―多数決型とコンセンサス型の36ヶ国比較研究』(アレンド レイプハルト、勁草書房 、2005)を読んだところ、コンセンサス型民主主義のほうが優れており、その特徴の一つは議院内閣制(大統領制ではない)ということであった。だから、大統領制を採用し、コンセンサス型民主主義のようにするには、大統領制の制度設計を慎重にしなければならないと考えている。
大統領制を採っている国の統治機構を詳細に調べないと結論が出ないが、血脈主義に対する批判が優勢であるとすれば、天皇制廃止と、大統領制の制度設計のあり方は、十分考慮に値するはずである。だが、「えらぼーと」では無邪気に女系天皇の賛否を問うているだけ。問題意識が不十分と言わざるをえない。