清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

このくらいの 覚悟を持って 批判せよ

橋下徹大阪市長が、週刊朝日の連載をきっかけに取材拒否にまで発展した事件は、週刊朝日が謝罪してノーサイドだとか、週刊朝日が一方的に悪い、では済まない、重要な話なので、続けてみたい。

 
某日、『週刊金曜日』2012年11月16日号を某所で立ち読みした(本屋さん、金曜日さん、ゴメンナサイ)。その『週刊金曜日」で印象に残ったのは、角岡伸彦さんの「『週刊朝日』問題の本質」。
 
この記事について、私は諸手を上げて賛成しない。「佐野氏の記事は、『非寛容な人格』『厄介な性格』と父親の出自を安易に結びつけたことが問題」(『週刊金曜日』2012年11月16日号p20)や「特定人物を陥れるための出自報道は、論外」(同)に賛成しないからである。前者は、読者だって、子が親に似ている、ぐらいいう、ごくふつうのことであるからであり、後者は、政治家ゆえ有権者は人柄を知る権利があるので出自を報じてはいけない事にはならないからである(もちろん、書くまでもないが、部落差別を肯定する趣旨ではない。出自については、被差別部落と関係なく成り立つので)。
 
しかし、角岡さんの文章の素晴らしいところは、以下のところである。
 
①「橋下氏は、そのように血脈をもって判断すること自体がおかしいと主張している(中略)しかし私は橋下氏に問いたい。では、日本で最も血脈主義が貫徹されている天皇制はどうなんですか?と」
 
②「血脈報道における橋下氏の過敏とも言える反応から垣間見えるのは、(中略)“部落(民)忌避”である」
 
③「わが子の将来に思いをめぐらす橋下氏の親心もまた、血のつながりを重んじる血脈主義の通じるのだから」
 
(以上、『週刊金曜日』2012年11月16日号p20 より引用。番号は清高がつけた)
 
①のような覚悟があって、初めて橋下さんが言う「血脈主義」を批判できるのだ。橋下さん自身のことしか触れず、日本社会、もっと言うと、世界の王政すら批判の俎上に上げられない人は、血脈主義だと批判する資格はないのである(なぜか「ひいては人種差別、民族浄化論そのものにもなる。人種差別やナチス肯定論はアメリカでもヨーロッパでも公言することは禁止されている」とは書いているが、恣意でしかない。「橋下徹 @t_ishin ツイログ 2012年10月18日」だとかツイートしている)より。http://twilog.org/t_ishin/date-121018  )。
 
②、③については、同じく「橋下徹 @t_ishin ツイログ 2012年10月18日」によると、「血脈主義を肯定すると、僕だけの問題ではない。僕の子どもや孫までの否定につながる」だとか、「今回は僕個人への批判ではない。僕の血脈、先祖や子や孫への批判、否定でもある」だとかツイートしている。ナチスなどにも話を広げているが(既述)、これでは、角岡さんの批判の勝ちである。
 
週刊朝日』の記事はダメで橋下市長が正しいと思った皆さん、それなら、天皇制廃止主張だとか、世界の王政批判だとか、してみるんだね。それができていない浮ついた批判は、ダメだ。