オバマさんは、ハワイ州の生まれで、黒人の父と白人の母の間に生まれた。インドネシアに住んだことがある等の事情で、複雑な人格形成をしたことが描かれている。お母さんの方の自由な性格を受け継いだ、という内容もあった。
この記述が本当かは、ぜひ11月19日の再放送をご覧頂きたいが(記憶に基づいて書いているので不正確の可能性あり)、オバマさんの人となりを、幼少の頃から探っている。
翻って日本。『週刊朝日』の連載記事が橋下徹・大阪市長の逆鱗に触れたことについて、『週刊朝日』の発行元の朝日新聞出版は、社長が辞任するなどの措置をとった(朝日新聞デジタル「「報道と人権委」の見解、橋下市長に報告 朝日新聞出版」(2012年11月13日01時33分。http://www.asahi.com/national/intro/TKY201211120201.html )。
そして、朝日新聞出版は、「週刊朝日の橋下徹・大阪市長連載記事に関する「朝日新聞社報道と人権委員会」の見解等について」と題してコメントを発表した(佐野眞一さんのコメントも含め、右記URLから。http://publications2.asahi.com/index.html )。
週刊朝日の記事には問題があると私も思うが(「石原と 佐野眞一らは 同じだな」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/53437446.html )参照)、やっていることは、「橋下氏を知る多くの人たちの証言を得て橋下氏の人物像に迫り,それが彼の政治姿勢や政治思想とどう関わるのかを探る」(「週刊朝日の橋下徹・大阪市長連載記事に関する「朝日新聞社報道と人権委員会」の見解等について」(1))ことであり、正当である。
また、「雑誌統括は,さらに被差別部落の地区の特定その他の削除を強く求めた」(「週刊朝日の橋下徹・大阪市長連載記事に関する「朝日新聞社報道と人権委員会」の見解等について」(1))ともある。『週刊朝日』の記事を読んだ限りでは、「被差別部落の地区の特定」(同)は必要があるとは思えなかったので、まともだが当然の見解である。ただ、「週刊朝日の橋下徹・大阪市長連載記事に関する「朝日新聞社報道と人権委員会」の見解等について」(2)によると、「19日午後、朝日新聞出版の顧問弁護士と相談した。同弁護士から「決定的な問題は、地区を特定していること。その地域の住民に対する差別を助長するもので、重大な人権侵害だ」」とある。しかし、被差別部落自体はニュートラルなわけだから、この見解もある意味「差別を助長する」(同)のだ(被差別部落でなければ地名を出せ、被差別部落なら地名を出せないならば、地名を出せない≒被差別部落、となり、差別を助長しかねない)。
朝日新聞出版の見解をざっと読んだ限りでは、このような謝罪を、橋下市長にしたのは、表現の自由、国民の知る権利の観点からは、極めてまずかった。橋下市長の言動をもとにルーツを探るのは、冒頭に取り上げたドキュメンタリーと同じであり、今回の件で政治家のルーツを探るのが難しくなり、有権者が人となりを知ることが難しくなるからである。