読売巨人軍(以下「巨人」と表記)の内海哲也投手がFA(フリーエージェント)で埼玉西武ライオンズ(以下「西武」)から入団した炭谷銀仁朗捕手の人的補償で西武に移籍し、同じく長野久義(ちょうのひさよし)外野手がFAで広島東洋カープ(以下「広島」)から入団した丸佳浩外野手の人的補償として広島に移籍した。
移籍した内海さんや長野さんは、どうしても巨人に入りたくてドラフトの指名を拒否した経歴を持つ(内海さんはオリックス・ブルーウェーブの、長野さんは北海道日本ハムファイターズ、千葉ロッテマリーンズの)。その2人が巨人から、それもFAの人的補償でチームを去るのは皮肉なものだ。
しかし、他の業界、例えばバレーボール(『ひろってつないで』「バレーボール新リーグの名称は「V.LEAGUE」になりました。」(2017年12月26日。https://hirotuna.com/2017/12/26/post-7693/
)によると「これまでは、移籍した選手は前所属チームの同意がなければ1年間試合に出場できないというものがあった」とある)やラグビー(SANSPO.COM「日本ラグビー協会、移籍に関する規約改定 移籍承諾書を撤廃/TL」(2018年2月19日20時13分。https://www.sanspo.com/rugby/news/20180219/ruo18021920130001-n1.html
)の移籍制限の厳しさが問題になり撤廃の動きがある中で、プロ野球だけが選手がチームを選べない制度を維持できるかが疑わしくなってきた。
プロ野球が現行のドラフトとFAの制度を撤廃すると最初からMLB志望の人が出て有力な選手を確保できなくなるという懸念はあろうが、プロ野球も他競技に倣って選手の選択の自由を認める方向に改革されると予想する。そうなると今回の場合、内海さんや長野さんも巨人残留の可能性があり(支配下登録選手の廃止までは主張しないので退団の可能性を0にはできない)、妥当な結果になったかもしれない。