清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

心地よい 解釈求める 人間だ

今日の読売新聞2面、3面(統合版による)に、(2面から)『「日本国紀」の副読本』(産経新聞出版)、『日本国紀』(幻冬舎)の広告が載っていた。

 
どちらの本のコメントもいかにも草の根保守らしく見えたが、本エントリーで注目するのは『「日本国紀」の副読本』の広告。
 
そのお便りの1つを引用して検討する。それは下記のお便り。
 
「(略)70歳ですがやっと本物の日本史に出会えた」
 
これを書いた人がどのような人生を送ったか知らないが、ある意味人間の本質を突いているコメントのように思う。
 
「人間の本質」と大きく書いたが、人間は、自分にとって心地よい解釈を求める動物だということである。
 
引用したコメントを書いた人は、中学校などの歴史教科書の内容が嫌で、『日本国紀』を読んで感動したのだろう。『日本国紀』は専門家でもない作家が書いた本なのに。一方、歴史教科書は専門家や教員が書いているうえに文部科学省の検定を通過している。合理的に考えれば、どちらで学ぶべきかは書くまでもないだろう(あえて書くが、歴史教科書。『日本国紀』は面白がって読めばいいと思う。なお、どちらが正しいかの価値判断はしない)。
 
『日本国紀』と歴史教科書の話ならわかりやすいと思うが、普段我々が情報に接するときは結構難しい。
 
筆者の場合、主流メディア(新聞やテレビ)の報道に不満があると、例えば『世界』(岩波書店)、『週刊金曜日』(金曜日)がどう書いているかを求めてしまう((だからお前はパヨクだ)と思うのは結構)。誰が書いているかなどをチェックはするが、『世界』や『週刊金曜日』の記述内容が正しいかわからなくても求めてしまう(主流メディアも正しいかはわからないが)。
 
引用したコメントの人も、筆者も、おそらく読者も、自分の気に入った解釈を、正しさとは関係なく求めるものである。それが人間の本質なので、「フェイクニュースに引っかかるな!」というお題目を空しく感じるのである。