清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

韓国ゆえ 無罪の加藤 達也かな

日本国等の圧力(一例。時事ドットコム産経前支局長への求刑批判=菅官房長官」(2015年10月20日11時56分。http://www.jiji.com/jc/zc?k=201510/2015102000354
)によると、「「累次にわたり懸念を伝えてきた」」、「「引き続き韓国側に適切な対応を求めていく」」という、菅義偉官房長官のコメントが載っている)でにわかに騒がれた、産経新聞の前ソウル支局長の加藤達也(以下も敬称略)が朴槿恵大韓民国大統領の名誉を毀損したとして刑事裁判になった事件は、引用元の①産経ニュース「ソウル中央地裁の判決要旨)(2015年12月17日20時6分。http://www.sankei.com/world/news/151217/wor1512170064-n1.html
)にあるとおり、第1審のソウル中央地方裁判所が、無罪判決を出した。引用元のMSN産経ニュースの記事、並びに②朝日新聞デジタル「産経前支局長の無罪判決 ソウル中央地裁の判決要旨」(http://www.asahi.com/articles/ASHDK6T89HDKUHBI034.html
)に基づいて(したがって、判決文の原文は見ない)検討する。
 
①ではさらっと「朴大統領の男女関係についての部分は引用したとはいえ、「客観的事実」に合致しないため、「虚偽」」と書いてある。一方②はそれに加えて「被告人は他の資料なども確認したと主張するが、「うわさの内容」が事実なのかを確認したのではなく、「うわさの存在」が事実なのかを確認したに過ぎない」、「被告人はこの記事を作成する当時、うわさの内容が虚偽であることを、未必的にでも認識していた」、「①被告人は記事で単純にうわさや疑惑を指摘しただけではなく、韓国政府がうわさの拡散を阻んでいると印象づけようとした点②うわさの内容自体は公的関心事だとしても、これが結局すべて虚偽だという点③記事にはうわさの他に韓国政治に関する様々な言及があり、大統領職にある人物が国家的緊急の事故が起きているのに収拾に専念せず、私的な出会いを持ったという趣旨が含まれ、私人としての社会的評価を深刻に低下させた点などを総合すると、記事は私人である朴氏の名誉を毀損したと言える」、「記事は虚偽の事実を書いている」と、加藤達也は確実な証拠・資料(最高裁昭和44年6月25日大法廷判決参照)もなく、人の社会的評価を低下させるようなことを書いたという事実認定である。
 
日本であれば、以上に引用した部分が理由で、名誉棄損罪が成立(刑法第230条)+真実証明(刑法第230条の2・第3項)失敗=有罪、となる。少々横道に逸れるが補足すると、筆者が朴大統領、又は韓国の検察の立場ならば、日本の名誉棄損罪の適用を求める(刑法第232条2項)。それでも起訴もされなかったら、起訴便宜主義(刑事訴訟法第248条)があるので少々強弁だが、法治国家として問題だとアピールするかもしれない。もっとも、ネトウヨと呼ばれる人の表現を拝借すると、加藤達也は日本人じゃないかもしれないが(名誉棄損罪は国民の国外犯を罰する(刑法第3条第12号)が、加藤達也が日本人でないと罰することが難しい)。
 
本筋に戻る。しかし、この事件に限っては、韓国の法律を適用しようとしたので(「産経記者 不当な起訴は なさそうだ」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/54968528.html
)で書いたが、人を誹謗する目的がなければ、韓国の、情報通信網の利用促進及び情報保護等に関する法律における名誉棄損罪は成立しない。①によると「朴大統領を誹謗する目的は認められ」ないので、犯罪不成立となった。日本国等の圧力で喧伝されることとは違い、韓国のほうが名誉棄損罪が成立しにくいというのが実情のようだ。
 
ところで冒頭で「日本国等の圧力」と書き、その一例を示した。大津事件以来の日本国(大日本帝国時代を含む)の悪しき伝統(司法への介入)を今回は踏襲した。日本の大津事件では児島惟謙・当時大審院長が圧力に屈せず司法権の独立を守ったとされるが、大韓民国は守りきれなかったという分析もできそうだ。圧力をかけた日本国政府を恥じるとともに、司法権の独立が今回の事件で実現するのなら、ウソを書いても反省しない(少なくとも筆者は反省の弁を見たことがない)加藤達也ぐらい刑務所にぶちこまれても悪くないな、と思った。
 
なお、今回は、③産経ニュース「韓国の名誉毀損「国際人権法に矛盾」 有罪なら「厳しい批判にさらされ」 国連「表現の自由」特別報告者ケイ氏インタビュー」(2015年12月14日17時18分。http://www.sankei.com/world/news/151214/wor1512140020-n1.html
といった、国際的な批判は検討しなかったが、その理由は、「刑事罰を伴う名誉毀損罪」(③)は日本にもあるので(刑法第230条)、韓国批判の理由にならないからである(韓国がダメなら日本も問題だし、日本が問題ないなら韓国も問題ない)。
 
*国名は、正式名称を用いた部分、略称を用いた部分、ともにあります。