清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

三浦瑠麗の 本取り上げるの 馬鹿げてる

三浦瑠麗さんの『21世紀の戦争と平和』(新潮社)が、日本経済新聞と読売新聞で取り上げられた。

 
新聞の書評は取り上げた本を肯定的に取り上げるものだが、日本経済新聞の書評(会員限定記事。2019年3月23日朝刊(東京では)。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO42776670S9A320C1MY7000/
)によると、「近年の民主国家は、大衆のナショナリズムとそれに迎合する政治家が戦争を引き起こす要素が高まっていると著者は指摘する」とある。読売新聞紙上(2019年3月24日朝刊「本 よみうり堂」)で評価した坂井豊貴さんによると、三浦さんの「提案」した「徴兵は徹頭徹尾、国民の、知のコストへの理解を高め、戦争への無責任な賛同を抑えるためのものなのだ」という。
 
書評だけ見ているとそれなりの本に見えてしまうが、「三浦瑠麗 小田嶋隆に 惨敗だ」(当ブログのエントリー。https://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/56863721.html
)も併せてみると、(三浦瑠麗さんって、正直、バカだな)という感想になる。
 
というのは、三浦さんが以前した、「レーダー照射の件では、(略)安倍嫌い派が、本来韓国のルール違反に対して、安倍政権に対する批判にしか落とさないから、国民の間でも自民党の中でも反韓感情がかえって高まってしまうんだと思うよ(略)」(https://twitter.com/lullymiura/status/1083707006832205824
)というツイートと矛盾するからである。
 
先ほど日本経済新聞の書評から引用した「近年の民主国家は、大衆のナショナリズムとそれに迎合する政治家が戦争を引き起こす要素が高まっていると著者は指摘する」からすると、「政治家」に安倍晋三さんが該当するのは、「三浦瑠麗 小田嶋隆に 惨敗だ」でも取り上げた時事ドットコムの記事「渋る防衛省、安倍首相が押し切る=日韓対立泥沼化も-映像公開」(2018年12月28日18時38分。https://www.jiji.com/jc/article?k=2018122800890&g=pol
)を読めば理解できる(「市民が平和的で軍が好戦的だというイメージは、必ずしも正しくない」(坂井豊貴。読売新聞書評より)が該当する事例で、防衛省が渋ったのを安倍晋三さんが公開に踏み切っているから。もっとも、自衛隊防衛省は「軍」ではない建前だが)。
 
つまり、三浦さんの『21世紀の戦争と平和』の問題意識からは、安倍晋三さんは批判されないとおかしいのだが、していないどころか「安倍嫌い」(三浦さんのツイート)を批判しているので、三浦さんの書物は読む気がしないと判断せざるを得ないのである。
 
その他、徴兵制については、「多額の費用もかかってしまう」(坂井豊貴)のであれば出来っこないし、人が足りなくなれば憲法改正でもして(現行憲法の解釈では、徴兵制は憲法第18条違反というのが通説)採用するだけの話。
 
つまり、三浦さんの日ごろの言動と不一致の本に説得力はなく、問題意識も無意味だから、肯定的に取り上げた人は己の不見識を恥じることになるということである。
 
*タイトル、ならびに文中一部敬称略。