清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

「ネトウヨ」と 「枕営業」 同じなの?

国際政治学者を名乗っている三浦瑠麗さんが、また何かやらかしたみたい。検討するのは、PRESIDENT Online「三浦瑠麗『モンスタークレーマーへのベストな対応は「無視」』」(『プレジデント』2020年10月2日号。以下、①)である。

president.jp

 

まず最初に、思いっきり要約すれば「ウェブサイトの 悪口そんなの 無視しろよ」となる。

 

そのうえで検討。

 

最近、言論の自由がとみに縮小している。ごく少数の人たちが、SNS上で少数であるにもかかわらずクレーマーとして影響力を持ってしまう。(略)

例えば、芸人のほんこんさんの言動に対して、レッテル貼りをして反対・嫌悪をSNS上で煽り立てようとする運動が現れる。こうした運動に対してベストな振舞いは、おそらくガン無視。(略)

それでも傷つくという方もおられるだろう。例えば、伊藤詩織さんの裁判。彼女が名誉感情を傷つけられたとして杉田水脈衆議院議員を訴えている件では、裁判をすること自体によって(勝敗はともかく)次なる攻撃の「抑止」効果を持つという見方もできる。(略)(以上、1ページ)

 

ただし、その場合に言論空間が狭まってしまうことも考えに入れておくべきだ。(略)

 

伊藤詩織さんご自身の件については、ご本人が自由に訴訟をすればよいと思う。名誉感情を傷つけた人に訴訟を起こすことが、彼女自身の癒やしになる可能性もある。けれども、今回の意欲的な裁判で仮に勝利し、杉田議員から数十万円のお金を取れたとしても、匿名のアカウントによる誹謗中傷はなくならないだろう。

著名人に訴訟リスクを負わせることで発言を中傷度合いの少ないものに誘導できても、相変わらず匿名アカウントは誹謗中傷をし続けるだろうし、他人が何を言っているかを“エゴサーチ”で探して見に行けば、言われている本人も傷つき続けることになるだろう。

私自身、今まで訴訟を考えたことが全くないというわけではない。しかし、人前に顔と名前を晒して言論人として生きていくということは、基本的には外野が言いたい放題言う環境に身を置くということだ。極端な左右のモンスタークレーマーに一つ一つかまうことは、むしろ私の発したい中心的なメッセージから遠ざかることになる。言論の機会があれば、相手の憎しみに対するリアクションではなく、常に自分の言いたいことを言い続けるべきだと思うのだ。(略)

 

  ①より

 

別に日本政府が何か弾圧したわけでもないのに何で「言論の自由がとみに縮小している」(①)なの? そもそも「言論の自由」(①、ならびに日本国憲法第21条)って、国家からの自由なの、知らなかったの?公法に範疇化される憲法も知らないで国際政治学者を名乗っているのだから噴飯ものである。

 

三浦さんの文章からは、ほんこんさんの言動、ならびに伊藤詩織さんの訴えの提起の全貌が見えないが、おそらくこれらだろう。まずはほんこんさんのツイートから。

 

 

次に、伊藤詩織さんの件については、週刊金曜日オンライン「伊藤詩織さんが杉田水脈議員ら訴訟 中傷ツイートへの「いいね」問題視」(小川たまか。2020年9月11日4時38分。以下②)

www.kinyobi.co.jp

 

②によると、

 今回の東京地裁での訴訟で注目されるのは、杉田議員の発言ではなく、特定のユーザーの投稿に「いいね」ボタンを押したことの是非。自身に寄せられた返信のうち伊藤さんを「胡散臭い」「枕営業の失敗」などと中傷したツイートや、伊藤さんを擁護したユーザーに寄せられた「伊藤おばさんは(略)卑怯者」「ニコニコ顔で自分のレイプ体験を語るヤツ」など、合計13ツイートへ「いいね」したことが訴訟対象となっている。

だとか

「伊藤詩織って偽名じゃねーか!」とツイートした元東京大学特任准教授の大澤昇平氏には名誉毀損にあたるとして、110万円の損害賠償を請求。訴状では「『伊藤詩織』は原告の本名で、別の名前はありません」と述べた。

 だとか書いてある。

 

ほんこんさんのツイートにある「ネトウヨ」(2020年8月25日のツイート)は、「ネット右翼」を略しているものだが、現時点でこれが、例えば侮辱に該当するか、微妙なところではある。

 

しかし、②に書いてある「『枕営業の失敗』」だとか「『ニコニコ顔で自分のレイプ体験を語るヤツ』」だとかは、誰が見てもひどい中傷だと思うだろう。性犯罪の被害者に「『自分のレイプ体験を語るヤツ』」と言ったら、被害者はどう思うか、普通の人なら想像できるだろう。

 

それらを並立させている三浦瑠麗さんに対する非難は、既に他人がやっている。例えば睦月は魚アレルギー@自宅警備(@nekotoshimai)さんの2020年9月18日14時58分のツイート。

 

なお、②にある「『伊藤詩織って偽名じゃねーか!』」は、大澤昇平さんの2020年6月24日16時58分のツイートにある。

 「偽名」(大澤昇平さんのツイートより)を否定的に評価しているうえ、破産したという内容なので、これもまずいだろう(名誉毀損だろう)。

 

以上、言論の自由も理解せず、藁人形(①の「SNS上で少数であるにもかかわらずクレーマーとして影響力を持ってしまう」のところ)を用いて、大したことのない話(ほんこんさんのツイート)と、深刻な問題(伊藤詩織さん関連)を同列に論じるという地名的な判断ミスを犯した三浦瑠麗さんだった。マスメディアの関係者は、三浦瑠麗さんを二度と使ってはいけない。